【パラ陸上】山本篤 デモはなかったが…「『やるな』っていう人たちの気持ちも分かる」

山本篤

男子走り幅跳び(T63)で東京パラリンピック代表に内定している山本篤(39=新日本住設)が複雑な胸の内を明かした。

4大会連続出場となる大舞台が間近に迫っているが、各地で新型コロナウイルスの感染者が増加。陸上のテスト大会(9日、国立競技場)では、周辺で大規模な抗議デモが行われ「五輪を即刻、中止しろ!」などとの声が飛び交っていた。

ところが、パラ陸上のテスト大会(11日、国立競技場)の最中にデモ等は開催されていなかったことから「今回はデモはなかったので、パラリンピックはやってもいいってことなのかな」と冗談っぽく話し、報道陣の笑いを誘った。

その一方で、真面目な話になると表情が一変。「やるなっていう人たちの気持ちも分からなくもない」と理解を示した上で「自分たちの気持ちとしては、やる前提でトレーニングを継続していかないといけない」と神妙に語った。

また、国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪・パラリンピックに参加する選手団に向け、コロナワクチンを無償提供すると発表した件については「選手として多くの場所に動く可能性がある。無症状でいろんなところに行ってしまい、感染させてしまう可能性があるのなら、受けた方がいいのかなって思う」と私見を述べながらも「早く国民のみなさんに届いてほしいというのはある。僕たちが打たないことによって、国民のみなさんに(ワクチンを)先に打ってもらえるならいいが(ワクチンが)別枠であれば、移動のリスクを考えて僕たちが打つべきなのかなと悩んでいる」と顔をしかめた。

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