近年韓国では、バラード歌手に加えて様々なアーティストがOSTに参加しています。ロック、ヒップホップ、シティポップ、フォークなどジャンルも多彩で、アイドルの参加も目立ちます。
そのきっかけとなったのが、2009年の「花より男子~Boys Over Flowers」です。主要キャストを現役アイドルが務め、彼らの所属するSS501やT-MAXなどのグループがOSTに参加。さらにKARAやSHINeeなども起用され、日本特別仕様盤も含めた3枚ものOSTアルバムがリリースされています。
また同年に放送された「美男〈イケメン〉ですね」では、FTISLANDのイ・ホンギとCNBLUEのジョン・ヨンファが出演し、主演のチャン・グンソクをヴォーカルとするロックバンドA.N.JELLまで結成されています。
新人アイドルグループにとって、OSTへの参加は知名度を高めるきっかけにもなります。さらに、SUPERJUNIORのキュヒョン、JYJのジュンス、少女時代のテヨンを筆頭に、人気絶頂のアイドルグループでも、メインやリードボーカルを務めるメンバーがソロで参加することがあります。
個人で参加することで、歌手としての実力を示し、グループの活動時とは違った楽曲で、新たな一面を見せることもできるのです。
世界的アーティストとなったBTSからも、VとJINが時代劇の「花郎〈ファラン〉」に、Vが「梨泰院クラス」のOSTに参加するなど、その勢いは止まりません。
アイドルの歌うOSTは、基本的に事務所からリリースされる正規アルバムには収録されません。そのため、ファンにとってもお宝曲となり、コンサートなどでは非常に盛り上がります。
TEXT:菊池昌彦(フリーライター)
Edited:野田智代(編集者、「韓流自分史」代表)