京急油壺マリンパーク、9月末で閉館 動物は他施設に引っ越し 神奈川・三浦

コロナ禍ということもあり、ひっそりとした京急油壺マリンパーク=三浦市三崎町小網代

 愛らしいコツメカワウソやペンギン、多彩な魚が人気を集める水族館「京急油壺マリンパーク」(三浦市)が、9月30日で閉館することが決まった。

 建物や設備の老朽化と、来館者減少が理由で、飼育している生き物は他の施設へ移り、水族館単体での再開館は行わない予定という。

 京急電鉄が12日発表した。同社によると、マリンパークは1968年開館。三浦半島唯一の水族館で、魚や自然への理解を深め、科学教育の一翼を担う役割も果たしてきた。

 しかし建物や設備が著しく老朽化。70年には最高の88万人を記録した年間来館者数も2019年には26万人と落ち込み、「レジャー施設が多様化して集客も減り、同規模の施設を作ることは難しい」(同社)と判断したという。

 現在約400種類を飼育している生き物は他施設へ移る。閉館後も飼育・施設管理に必要な体制を維持し、「全ての移譲が完了するまで責任を持って対応する」としている。

 また、隣接する「ホテル京急油壺観潮荘」も時期は未定だが閉館する。いずれも建物は壊す方向で、両施設の跡地には同社と大手デベロッパーが共同で、温泉や宿泊、マリンアクティビティを備えた観光拠点を25年度に整備する予定。

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