大阪市の松井一郎市長(57)が13日、大阪市役所で定例会見を開催。大阪市が独自で取り組むオンライン授業について、萩生田光一文科相(57)に授業時数にカウントするよう掛け合うと明言した。
緊急事態宣言が発令された先月25日以降、大阪市の小中学校では独自の学習方針を実施。宣言の延長に伴い今月末まで延長になった。
小学校の生徒は1~2時間目を自宅に持ち帰ったタブレットを使ったオンライン授業やプリント学習にあてる。その後、登校し、3~4時間目に学習状況を確認、給食を食べて下校というスタイルだ。中学校も同じような内容で、部活動は休止されている。
文科省の基本方針では、オンライン授業は授業時数に含めて扱うものではないとされている。これを問われた松井氏は「何のためにオンライン授業導入してきたの? 第3波、第4波を見据えて、一連のカリキュラムが終わらないと思ったから、オンライン授業を進めてきた。なんでそれが対面授業と同じようにカリキュラムの日数に入れ込まれないのか。大臣に直接言います。『入れてくれ』って言います。今日にでも電話する」と不満を見せた。
その上で「もちろん、学ぶ遅れがはっきり現場で確認できた場合は、補習とかも含めて子供たちの学力格差につながらないようにやっていこうとは教育委員会とも話している」と補足した。
オンライン授業開始初日、メディアを通じて報じられた模様は、対応が進んだ一部の学校のもの。実際は多くの学校でほとんど機能しておらず、保護者だけでなく教職員からも不満の声が上がっているのは本紙既報通りだ。
ある中学生の保護者は「オンライン授業なんて通信テストだけで一回もしてないし、学校に行っても授業は3~4時間目の1日2時間だけ。だから、中間テストも中止になったくらい。中3のお子さんを持つご家庭が心配やわ。そんな状況なのに授業時数にカウントする? ほんまに現場で授業が成り立ってると思ってるん? 大丈夫か?」と激怒している。