新潟・三条市は「先生ファースト」 余剰ワクチンの首長“優先接種”にナイスな試み

各社の新型コロナワクチン(ロイター)

自治体の首長が続々と新型コロナウイルスのワクチンを接種し、話題になっている。

茨城県城里町では上遠野修町長(42)と副町長、教育長の3人が4月に接種。ワクチンは医療従事者に優先的に届けられたものだった。上遠野町長は13日の記者会見で「指揮を執るべき町長が感染すると混乱を及ぼすため、接種は問題なかったと考えている」と説明。ワクチンはキャンセル分だったとした。

兵庫県神河町の山名宗悟町長(62)も6日に接種済みだったことが明らかになった。「廃棄予定だった分を有効活用し、危機管理のために打った」と説明した。

また大阪府河南町の森田昌吾町長(64)や町職員ら約50人も6日に接種したことが発覚。森田町長は「自分も接種現場に滞在して状況把握や改善指示などを行っており、今回の接種が問題とは考えていない」とした。

ワクチンを接種したくても予約の電話すらつながらないと話題になるほどで、打ちたくても打てないのが現状。医療従事者や高齢者ではない一般層はそもそも打つメドが立っていない。それだけに賛否は分かれそう。

ツイッターでもこの件の書き込みはたくさんあるが、「首長はワクチン優先で打ってもいいくらい」「キャンセルなどでワクチンが無駄になるなら首長が先に接種するのもあり」という“問題なし派”が多い印象。一方で加藤勝信官房長官は13日の会見で「公平性に反するようなことがあれば誠に遺憾だ」と“問題あり”とした。

キャンセルなどで余ったワクチンをどうするかは悩みのタネ。永田町関係者は「新潟県三条市の取り組みが注目されています。ワクチンが余った場合は学校の先生に打ってもらうようにしているそうです」と指摘した。

三条市の滝沢亮市長のツイッターによると、当日にキャンセル等が発生したら、事前に登録した小中学校の教職員に接種してもらうことを想定しているという。事前に方針を公表する姿勢に賛同が集まっている。

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