〝五輪開催返上〟カードを握る小池都知事「政局絡みに語るのはいかがかと」

会見した小池百合子都知事

小池百合子都知事(68)が14日、定例会見で東京五輪開催を巡り、政局化しているとの見方について「政局絡みに語られるのはいかがなものか」と言及する場面があった。

この日、ネット上で五輪中止を求める署名活動を行っている弁護士の宇都宮健児氏(74)が35万筆の署名を持って、都に五輪中止の要望書を提出した。

小池氏は「世界的なパンデミックでございますが、東京2020大会を安全安心に開催するのは重要。引き続き、IOC、五輪組織委員会と協力しながら進めていく」と大会開催へ向けての意気込みを示した。

一方で、小池氏が旧知の仲である自民党の二階俊博幹事長(82)を訪ねたり、都議選(7月4日投開票)や衆院選が控えていることから、小池氏が世論を味方につけるために〝五輪返上〟をぶち上げるとの観測が絶えない状況がある。

「五輪に関しての発言を控えているのではないか。小池氏が黙ると何か起きるとの指摘もある」と質問された小池氏は「なにか政局絡みで語られるのは、私にとりまして、いかがと思いますね。大会の開催、ましてやアスリートの皆さんと絡めるのはいかがと思う」と競泳女子で東京五輪代表の池江璃花子(20=ルネサンス)らに出場辞退の呼びかけがなされたことも気遣った。

そのうえで、「2020大会を1年延期しているが、安全安心をどうやって担保するか、IOC、組織委員会、国を挙げて、対策を講じ、何よりも感染させない、都民のご協力あっての大会。しっかりと進めていくことに変わりはありません。その一言に尽きる」と話した。

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