武家屋敷1棟貸します! 宿泊施設「TOKITOKI」オープン 雲仙

神代小路の武家屋敷を改修した「TOKITOKI」を紹介する境さん=雲仙市国見町

 旧神代鍋島藩の所領で武家屋敷が残る長崎県雲仙市国見町神代(こうじろ)小路(くうじ)地区の一角に、武家屋敷を改修して1棟貸しする宿「TOKITOKI(トキトキ)」が15日、オープンする。同地区初の宿泊施設で、武家町の風情と四季を感じながら、ぜいたくな滞在を楽しんでもらうのがコンセプト。
 同地区は国の重要伝統的建築物群保存地区(伝建地区)。国指定の重要文化財、旧鍋島家住宅(鍋島邸)が有名で、江戸初期から明治期のたたずまいを残す。
 「トキトキ」は築約190年の伝建指定の屋敷で、まちづくり会社「patina(パティーナ)」(境研伍代表、国見町)が運営する。元々、1級建築士の境さんが空き家になっていた屋敷を購入し、モデルルームにする計画だった。だが折よく、歴史的建築物を生かした地域再生に取り組む企業「NOTE九州」(福岡市)が同地区の活性化に取り組むことになり、両者で屋敷を宿にして活用するため今年2月、パティーナを設立した。

武家屋敷の風情と四季を感じる「TOKITOKI」(提供)

 屋敷は約100平方メートル。12畳の座敷が建築当時の姿をとどめているが、残りは建て替えられていた。今回、境さんがあらためて設計し直し武家屋敷の外観を再現。座敷は可能な限り柱や梁(はり)を生かし、残りスペースには和洋室、浴室、台所、トイレなどを設けた。
 庭は砂利敷きでヒカンザクラの木や池もある。境さんは「普段は気付かない“小さな時”を見つけられる場所。家族や友人とゆったり、ぜいたくな滞在を楽しんで」とPRしている。
 宿泊客に近くの神代商店街を訪れてもらうため、商店街のまえだ衣料品店で屋敷の鍵の受け渡しをする。オプションの朝食も商店街の旅館松栄が届ける。
 貸し切り料金は1泊約6万円。6人まで利用できる。宿泊予約サイト「一休.COM」を通して申し込む。問い合わせはパティーナ(電090.9762.3525)。


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