大谷翔平 “元祖二刀流”ベーブ・ルースに捧げる特大11号ソロ

特大の11号を放った大谷(ロイター=USA TODAY)

エンゼルス・大谷翔平投手(26)が14日(日本時間15日)、敵地フェンウェイパークでのレッドソックス戦に「2番・DH」でスタメン出場。左翼線二塁打、空振り三振、左中間への本塁打、空振り三振で4打数2安打1打点だった。試合は4―3でレッドソックスが勝利。澤村拓一投手(33)はブルペンで2度、肩を作ったが、登板機会はなかった。

かつてレッドソックスでもプレーした元祖二刀流のベーブ・ルースも、天国で喜んでくれたことだろう。最近5試合で21打数3安打、8三振と精彩を欠いていた打者・大谷が、2年ぶりに訪れたフェンウェイパークで輝きを取り戻した。

最初の見せ場は初回の第1打席だった。相手先発右腕のピベッタ(28)から左越えに二塁打を放った。長打は7日のドジャース戦以来で24打席ぶり。現存するメジャー最古の球場で名物の一つとして知られる左翼フェンス「グリーンモンスター」(高さ11・3メートル、幅70メートル)の下部にブチ当てた。

さらにボストンのファンを驚かせたのが0―2の6回に迎えた第3打席だ。ピベッタが投じた外角低めに落ちる79マイル(127キロ)のナックルカーブを右手一本で捉えると、角度33度で上がった打球はグリーンモンスターの中間付近を軽々と越えた。32打席ぶりに飛び出した11号ソロで、今季11度目のマルチ安打をマークした。

球場にため息やどよめきが入り混じる中、ダイヤモンドを1周した。試合後のオンライン会見では「有名なところに打てたのはすごい良かった。楽しかったし、風情があって素晴らしい球場だなと思った」と振り返った。

日本選手でグリーンモンスターを越え弾を放ったのは、ホワイトソックス時代の井口資仁(46=現千葉ロッテ監督)、レイズ時代の岩村明憲(42=現福島レッドホープス監督、2本)に次いで3人目。

ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(46=現ヤンキースGM特別アドバイザー)はフェンウェイパークで55試合に出場し、244打席で9本塁打を放っているが、グリーンモンスター越えは果たしていない。“三刀流”で全米を席巻する大谷の伝説はまだまだ続く。

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