アイルランド紙が新型コロナ禍の深刻化にも関わらず開催強行に向かう東京五輪について「日本国民の間ではダーティーワード（禁句）だ」と批判した。
同国紙「アイリッシュタイムズ」は日本在住の外国人の生の声を特集。同国ダブリン出身で現在は愛媛県の小中学校で英語教師のアシスタントを務めるキリアン・バリー氏（３６）が語る日本の現状を報じた。
バリー氏は「日本は今、新型コロナ禍の第４の波の真っ只中にあり、ワクチンの展開はまだ本格的に開始されていないため、多くの不安がある」と感染拡大が危険な状況やワクチン接種の遅れを指摘。そのうえで「今回の五輪は、私たちの正常な生活への復帰を祝うためのものだった。しかし、聖火リレーの予定が変わり、それが経過するにつれて人々の楽観主義は不安に変わった。延期された大会が今年の夏に開催されることという当局の決意に疑問はなかったが、新型コロナウイルスの執拗な感染持続は予期されていなかった」と感染の深刻化により五輪開催が危ぶまれる実情を語った。
そうした状況を踏まえて「日本国民の間では東京五輪はダーティーワード（禁句）だ」と批判。国民の生命を危険にさらす五輪の開催は、もはや言葉に出すことがはばかられる状況になっていると鋭く主張した。
日本在住の外国人も開催強行に疑問を投げかける東京五輪。国民の生命よりも〝マネーファースト〟を貫く大会主催者の姿勢は、世界から後ろ指をさされている。
