新型コロナワクチン 上越市 混乱軽減予約スムーズ 65歳以上集団接種 連絡方式に工夫

 65歳以上の上越市民を対象にした新型コロナウイルスワクチンの集団接種が10日、同市新光町1の上越休日・夜間診療所で始まった。同市はこれまで安全・安心かつ円滑な接種のための対策を講じてきた。ワクチン接種の現状やこれからの展開について市健康づくり推進課の田中靖子参事に聞いた。

10日から集団接種が開始(上越休日・夜療所、上越市提供)

個人接種希望者 接種望まない人 市へ連絡

 同市が主導する最初の接種は4月11日。県から提供を受けたワクチンを用い、接種に関わる医療従事者(個人接種会場となる77医療機関を含む)向けに行われた。21日には安塚区の特別養護老人ホーム「あいれふ安塚」を皮切りに、市内68カ所の福祉施設で接種が開始。本格的な市民接種を控え、医療・福祉関係者への先行接種が進められた。

4月21日に行われた施設接種(上越市提供)

 接種対象となる65歳以上の市民は6万1500人。接種区分別に集団接種が3万8000人、個別接種が2万2500人、接種を希望しない人が1000人と見込んでいる。

 同市は市民接種開始に当たり、個人接種希望者と接種を希望しない人のみが市に連絡する方式を採用。連絡がない市民を集団接種対象と位置付け、事前に接種日や会場、受付時間の案内を送付した。これによりコールセンターの機能が維持され、予約時の混乱が軽減されたという。田中参事は「関東に住んでいる人から『実家の親の接種予約がスムーズに行えて助かった』との声があった。市民の安心感につながったのでは」と話す。

22日から土日8会場 7月末に完了見込み

 上越休日・夜間診療所では、10日から12日までの3日間で729人が接種を受けた。同会場では約6200人の接種が行われる予定。ワクチンが余った場合、接種に関わる市職員(保健師や看護師など)に接種を行う。22日からは高田城址公園オーレンプラザなど8会場で土日曜の集団接種が始まる。全会場を合わせると1日当たり約4000~7000人の接種が可能で、7月末までに全対象者への接種が完了するとしている。

10日から集団接種が開始(上越休日・夜療所、上越市提供)

 田中参事によると、今までに副反応など目立った問題はなく、接種を終えた市民からは「スムーズに終えられた」「心配した痛みはなかった」などの声があったという。

接種に用いられるのは米・ファイザー社製ワクチン

 同市は高齢者の接種が終わり次第、7月中旬から11月末をめどに16歳から64歳の市民に接種を行う予定。田中参事は「円滑な接種を目指し、インターネット受け付けの採用なども検討中。市民接種はこれからがスタート。皆さんが安心して接種できるよう、準備を進めていく」と話している。

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