綿栽培 地域と共に 糸魚川市「ao」 コットンプロジェクト 種まき体験企画

 糸魚川市中宿の縫製工場「美装いがらし」のファクトリーブランド「ao(アオ)」(五十嵐昌樹社長)は、糸魚川産の綿を使った生地で仕上げたベビー肌着を、糸魚川で生まれた赤ちゃんにプレゼントする「いといがわコットンプロジェクト」に取り組んできた。7年目の本年度も、新型コロナウイルス感染症の影響と対峙(たいじ)しながら〝地域の宝〟のために継続する。

 原料となる綿花は自社畑をはじめ、市内の約20カ所で栽培。趣旨に賛同した小・中学校、特別支援学校、幼稚園・保育園、福祉施設などが栽培に協力し、プランターなどで育てる。秋に摘み取った綿花は、同社で買い取る仕組み。

 本年度活動の第1弾として、早川谷を一望する同市宮平の自社畑で15日、綿花の種まき体験を実施した。糸魚川アーティストユニット「ティンカリング」が企画に協力し、12組・25人が参加した。創立30周年の節目に当たって参画する能生中の生徒と教職員、10人も一緒に作業した。

綿花の種を植える参加者(15日、糸魚川市宮平)

 晴天の下、参加者は茶、白、緑の3色の綿毛を付ける種をそれぞれ、丁寧に植えた。親子3人で参加した男性(31)は「自然豊かな体験は、子どもにとって貴重」、生後1歳10カ月の娘を連れて参加した女性(36)は「この子も肌着を頂いた。お礼の気持ちで参加した」と笑顔で話した。

 同社プロジェクト担当の天野千恵さんは「こういった企画が会社と商品、取り組みを知っていただく機会になれば」と願った。

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