松井一郎市長 オンライン学習めぐり批判書面送付の校長に「社会人として外に出たことあるんかな」

松井一郎大阪市長

大阪市の松井一郎市長(57)が20日、緊急事態宣言下で市が独自に取り組んだオンライン授業に関し、大阪市立木川南小の久保敬校長(59)から送付された書面について言及した。

久保校長は18日、端末の配備や通信環境の整備が不十分なままオンライン授業を導入し、現場を混乱させたなどとする書面を松井氏宛てに送付した。

ネット上で内容を読んだという松井氏は「校長の考えというのは一つあるんでしょうけど、僕とは少し違う」とした上で、「今の時代、子供たちはすごいスピード感で競争社会の中を生き抜いていかないといけない。考え方の違いだけど、義務教育の間に世界中の同年代の中で生きるための基礎部分を培うことは大事だと思う」と持論を述べた。

オンライン授業に関しては通信面などで問題があり、多くの学校で形式上、タブレットが用意されただけで授業として全く機能しなかった。

書面では「場当たり的な計画で学校は混乱を極め、児童、生徒や保護者に大きな負担がかかっている。子供の安全・安心も学ぶ権利も保証されない」としているが、松井氏は「その校長の考え方はそうなんだろう。我々は子供の命を守るのを最優先として、オンラインを活用した」と反論。

その上で「世の中いい人ばかりで、もっと競争するよりもみんながすべての人を許容して、そういう社会の中で子供が生きていければそれは理想。校長だけど現場が分かってない。社会人として外に出たことはあるんかなと思いますね」と久保校長を批判した。

書面では教職員、学校の疲弊も指摘されているが、松井氏は「疲弊してやりがいが見つけらないんやったら、違う仕事を見つけたらいい」とバッサリ。

教職員が市長に意見することを「表現の自由、言いたいことを言えばいい」と話したが、処分に至る可能性については「僕には人事権はない。処分とかはまったく考えていない。ただ、組織の中なのでルールがある。ルール通りに現場を進めていくのが社会人として当然の行動。個人の意見を言うのは構わないが、我々には教育振興基本計画がある。それに沿った形で運営してもらわないと、組織の一員として逸脱していることになる」と語った。

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