スーパー耐久ST-2クラスで開幕2連勝中のKTMSが富士SUPER TEC 24時間へ新車を投入

 5月20日、専有走行が始まったスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第3戦NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース。多くの見どころがあるレースだが、ST-2クラスでは、今季からクラスを移行したKTMSが、第3戦に向けて新車のGRヤリスを投入した。

 2020年にトヨタ86でST-4クラスに参戦を開始したKTMSは、野中誠太、平良響というジュニアフォーミュラで活躍するふたりに加え、KYOJO CUPでもチャンピオンを争う翁長実希という3人の若手がドライブ。シーズン後半にメキメキと実力をつけ、激戦のST-4で表彰台を獲得する活躍をみせてきた。

 迎えた2021年は、新たにGRヤリスを投入しST-2クラスに移行。迎えた第1戦もてぎでは、雨のなか見事クラス初優勝を飾り、さらに第2戦SUGOでも優勝。開幕2連勝でチャンピオン争いをリードしている存在だ。

 そんなKTMSのGRヤリスだが、第1戦もてぎ、第2戦SUGOともホワイトのボディにKTMSのロゴが貼られている程度のシンプルなカラーだった。実はこの開幕2戦で使用していたKTMS GR YARISは、ROOKIE Racingが2020年開幕前のテストで使用していた車両を“借りていた”からなのだ。

 第3戦富士からの投入を目指しKTMSでは車両製作を進めていたが、2月前半にホワイトボディが届き、第1戦もてぎが終わった頃に塗装が完了。そこからメンテナンスを担当するキムインターナショナルで製作が進められてきた。

 完成した新車のKTMS GR YARISは「開幕2戦で使っていたGRヤリスと比べると、ROOKIE Racingが使ってきたものと同様のパーツが多くなっていますが、違いとしてはボンネットはこちらで新しく作ったものです。純正のボンネットにルーバーを開けています」と金敬模代表。

「借りていたGRヤリスの良いところと悪いところ、ROOKIE Racingが走らせていたGRヤリスの良いところと悪いところを省いたりつけ足したり」と新車投入にともない、バージョンアップが図られている。

 タイトなスケジュールのなか、苦労を重ねようやく5月17日(月)にシェイクダウンされたKTMS GR YARISは、配線や制御などの初期トラブルもあったが、5月20日(木)の専有走行までにトヨタの協力もあり、トラブルはほぼ解消した。

「仕上がりは上々です。ドライバーのコメントも良いですし、剛性もある。タイムも良いので、24時間レースが楽しみですね」と金代表。

 今回のNAPAC富士SUPER TEC 24時間レースでは、野中/平良/翁長という3人に加え、ジュニアフォーミュラをはじめツーリングカーでも速さをみせてきた一條拳吾を起用する。速さをもつ若手4人がドライブするKTMS GR YARISが、第3戦富士で選手権リードを広げるのか楽しみなところだ。

新車となりフルカラーリングされたKTMS GR YARIS
KTMS GR YARISに乗り込む前の平良響。奥は金敬模代表
新車となりフルカラーリングされたKTMS GR YARIS
2021年の富士24時間でKTMS GR YARISをドライブすることになった一條拳吾
ボンネットには新たにルーバーが設けられた。
第2戦SUGOでのKTMS GR YARIS

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