横浜・こども医療センター、昨夏もレジオネラ菌検出 市に連絡せず

県立こども医療センター(

 神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)で2月、入院中の子どもがレジオネラ菌に感染した問題で、同センター内で昨年8月にも指針値を超えるレジオネラ菌が検出されていたことが20日、分かった。

 検出された場合に定められている横浜市への連絡をしていなかった。

 当時の対応が適切だったかについて、同センターは「現時点ではコメントできない」とし、外部有識者による第三者委員会で検証してもらうとしている。

 横浜市が定めた「レジオネラ症を防止するための技術的管理指針」では、1年に1回以上の定期検査を要請。菌が検出された場合は直ちに市に連絡し、必要な助言を受けるよう求めている。

 同センターによると、昨年8月の定期検査の際、本館内の蛇口で指針値を超えるレジオネラ菌が検出された。ただ、熱湯消毒を実施した上で再検査したところ、検出されなくなったため、市には連絡しなかったという。

 担当者は「隠そうとした意図はない」と説明している。

 同センターは今年2月、入院中の子ども1人が感染し、肺炎の症状が出たことから、館内で検査を実施。検査の結果、レジオネラ菌検出を公表した。菌は本館地下1階~4階の複数箇所で検出され、お湯の使用を停止した。2月以降、入院を制限していたが、今月6日から段階的に解除している。今後、給湯設備を更新するという。菌の発生原因は分かっていない。

 レジオネラ菌による肺炎では、症状が重いと死亡に至る場合もある。

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