KTN前会長の不適切取引問題 臨時株主総会で説明

 テレビ長崎(KTN、長崎市)の金子源吉前会長(86)が在任中にグループ会社で複数の不適切な取引を主導したと疑われる問題で、同社は20日、市内で臨時株主総会を開き、「業務関連性が認められない事務所などの賃借と秘書の雇用で累計約9800万円」など4点を「金子氏の実質的な影響下での私的取引」と指摘する第三者委員会の調査結果を説明した。
 残り3点は▽美術品の大量購入▽金子氏の知人の彫刻家の作品購入と保管▽金子氏に1千万円を貸し付け、その返済の原資に規定を超える役員報酬が充てられたこと。第三者委は、取締役としての善管注意義務や忠実義務に違反する可能性が高いとしている。
 同社は監査で不適切な可能性のある取引が発覚したことを受け、弁護士らでつくる第三者委を設置。今年2月に最終調査報告書が提出された。金子氏は第三者委の調査に対し、一部を認めているという。
 出席した株主などによると、総会では金子氏側と和解に向け弁護士による代理人間交渉を開始する議案が提出され、承認された。

© 株式会社長崎新聞社