東京五輪海外トップ選手がIOCの〝二枚舌〟を非難 人種差別への抗議 行動禁止で

東京五輪にまたも問題が噴出

各方面から貴族軍団の姿勢が問われている。国際オリンピック委員会(IOC)が、東京五輪で反人種差別への連帯を示す「膝つき」などの抗議行為を禁止していることに猛反発している東京五輪トップ選手が、IOCの〝二枚舌〟を糾弾。「このままでは大混乱におちいる」と警告した。

これまでも、IOCの決定に抗議してきたのはリオデジャネイロ五輪男子200メートルで4位入賞を果たしたアダム・ジェミリ(27=英国)。20日、英「ガーディアン」によれば、ジェミリは53年前のメキシコ五輪陸上男子200メートル決勝で1位のトミー・スミス(米国)らが表彰台で黒い手袋を着けた握り拳を突き上げ、人種差別に対して抗議した件を巡るIOCの対応を批判。「まったく理解できないのは、IOCはスミスの(拳を上げる)写真を使っているんです。でも『これをやることは、誰も許されません』と言っている。それはおかしいですよ」と、一貫性のないIOCの姿勢を糾弾している。

「アスリートを禁止することはできないと思います。そんなことをしたら大混乱になる。機会が訪れたら、私は喜んでやります。自分でこんなことを言って、やらなければ偽善的だから」と、自分はIOCとは違うとダメ押ししたジェミリ。新型コロナウイルス禍で東京五輪開催を推し進める行動にも疑問が殺到するIOC。問題山積みだ。

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