蝶野正洋が逆説のコロナ論「90年代に流行ってたらレスラー全員死んでるよ」

コロナ社会にモノ申した蝶野

「コロナ、今で良かった」――。プロレス界の「黒いカリスマ」こと、蝶野正洋(57=東スポグループ強化部長)がコロナ禍を逆説的に解釈した。緊急事態宣言が出ても下がらない新規感染者の数。約2か月後に控えた東京五輪・パラリンピックは中止観測も報じられるなど、お先真っ暗の状態だ。しかし、この男だけは違った。「90年代にコロナが来てたらレスラー全滅だよ」と断言し、シミュレート。あえて過去と比べることで気休めに走る作戦に出た。

蝶野だ、オラ! 新型コロナウイルスの話題ばかりで嫌になるな。インドなんか、二重変異株で1日の新規感染者の数が40万人超えでエラいことになってる。日本にも当然入ってきてるだろ。

政府は慌ててワクチンを取り寄せて大規模接種しようとしてるが、俺は打ちたくないな。まず予約に時間がかかるってことと、ウイルスは変異し続けているから、ワクチン打ったって最新版のウイルスの型に効くかどうか分からないだろ。打った時には2つ前の(ウイルス)モデルだったりするんじゃないのか。

ワクチンの優先接種も問題になってたな。本当かどうか分からんが、廃棄予定のワクチンを打った町長が叩かれてたが、あれは別にいいだろ。マスコミが騒ぎ過ぎだ、オラ! 自治体の長や企業の社長さんは倒れたら部下の生活が危うくなるんだから、優先してやってもいいだろ。もっと言えば、老人は後回しにして、一家の大黒柱に先に打たせてやるべきだ。

こんな調子だから、五輪も中止なんて話が聞こえてくる。お先真っ暗だよ。ただな…俺に言わせれば、コロナは今の時代にはやってくれてまだ良かった。俺らがバリバリ現役だった1990年代にはやってたらレスラー全員死んでるよ。夜の街でもらってきて、即クラスター。節制という言葉がない時代だからな。プロレス記者もろくなもんじゃなかったから、巻き添えだ。東スポのY記者なんか試合そっちのけでナイトクラブにいたぞ。

お国が緊急事態宣言出しても聞きやしない。レスラーだけでなく、サラリーマンもそうだろ。バブル時代なんてみんな浮かれてたからな。新規感染者の数は0が1個違うよ。

しかも当時はプロレス業界と言えば隠蔽だ。仮にコロナになっても公表されずに、闇に葬られていただろうな。こないだ新日本プロレスで感染者が出ていたが、俺らの時代と違って感染対策もしていたはずだ。なにせ今はインフルエンザで欠場は当たり前。90年代の俺らの時はインフルエンザでも、選手は強行に出場しようとして止められたものだ。当時は科学的トレーニングもなくて暴飲暴食で体を作ってた。あの時代のレスラーは俺も含めてみんなカラダおかしくなってるよ(笑い)。

巡業で思い出したが、30年くらい前に中国に行った時はひどかったぞ。幼虫やらサソリやらコウモリやら食わされて、その場にいたレスラー全員見事にあたったんだ。翌日に行った万里の長城で俺と長州(力)さんが一緒にポーズをとった写真がプロレス雑誌の表紙を飾ったことがあったが、実はアレな…バスから降りた瞬間、長州さんも俺も血相変えてトイレに駆け込んでる。年功序列で先に長州さん、次が俺。しかも中国のトイレは簡易的でクソしてるのが丸見えなんだ。俺はひたすら「長州さん、早く出て下さい!」と絶叫してたよ。あれは地獄だったな、ガッデム!

そう考えると、中国という国はヤバイよな。コロナも発祥は武漢の海鮮市場なんて言われてるが、とんでもないモノまで売ってるからな。あたった時の破壊力は体験済みだ。

コロナ絡みの嫌なニュースが続くが、ここは「まだ今の時代で良かった」と前向きに捉えることも必要なんじゃないか。30年前に発生してたら終わってたゾ、オラ! アイム蝶野!

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