アール・ブリュット オンラインで魅力発信 上越市「ふふふのお店」 作家トークなど動画配信

 社会福祉法人みんなでいきる(大島誠理事長)が上越市西城町2の大島ビル1階に構えるアール・ブリュット作品販売などの「ふふふのお店」は、オンライン配信事業を開始した。フランス語で「生(き)のままの芸術」を意味するアール・ブリュットの魅力を広く発信している。

 同店は、同法人の「新潟県アール・ブリュット・サポート・センター」(NASC、坂野健一郎センター長)の新たな拠点として3月下旬にオープン。登録した作家らの各種アール・ブリュット作品を受託販売し、売り上げの75%は委託者に渡り、5%をフードバンクじょうえつに寄付する形としている。

 作品販売の他、店内では障害者芸術活動普及支援事業に関する情報コーナーを設け、一般の作品の持ち込みやアート関連の相談も受け付けている。

 オンライン配信事業は、相談を受ける中で多かった「コロナ禍で作品発表の機会が減っている」という声に応えようと企画した。

 21日の収録・生配信では、同店で週1、2日程度店番をする妙高市の作家、佐藤葉月さん(36)が出演。自身の作品や同店の紹介なども交え、坂野センター長(38)らとざっくばらんにトークを展開した。

21日の収録で、作品紹介を交え坂野センター長(左)とざっくばらんにトークを展開する佐藤さん

 佐藤さんは32歳のとき、ASD(自閉症スペクトラム)と診断された。その後、はがきサイズのスケッチブックとの縁をきっかけに、ボールペンなどで絵を描き始めた。丸や曲線を生かした抽象画を制作しており、独創的なタイトルも持ち味。同店のオープンを「うれしい。『場所ができた』と感じる」と喜び、「いろいろな人に絵を見てほしい」と話す。

独創的な作品の数々が並ぶ店内。一般の作品の持ち込み、アート関連の相談も受け付ける

 動画の収録・生配信は月1回程度のペースで行う。坂野センター長は「新しい表現活動の楽しみ方を模索していきたい」と意気込んだ。

 収録した動画は、同センターのユーチューブチャンネルで公開している。

 同店の営業は平日午前10時から午後5時までで、土日・祝日は不定期。問い合わせは同センター(電025・530・7264)へ。

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