ソフトバンクの絶対的主砲・柳田悠岐外野手(32)が22日のオリックス戦(ペイペイ)で、特大3ランを含む4打点の大活躍。ドッシリと4番に座る男が、チームを首位に浮上させた。
実に柳田らしかった。この日の一発は、柳田のパワーと技術が凝縮。相手左腕・田嶋は142キロ真っすぐで内角を厳しく突いてきた。うまく肘をたたんで体を高速回転させて弾き返すと、打球は切れることなく右翼上段に突き刺さる衝撃的な一発となった。
試合後、お決まりのように向けられた本塁打に関する質問に対する答えも、らしかった。
「いっつも練習を手伝ってくれてる打撃投手のおかげです。練習してたんで、それがうまく出せたかなと思います」。
浜涯泰司打撃投手(50)に向けられた言葉だ。1992年ドラフト3位でダイエーに入団した左腕で、ホークス一筋29年目。選手たちから厚い信頼を受け、鷹戦士の〝生態〟を知り尽くす男だ。なかなかファンの目に触れる機会は少ないが、その制球力は球界屈指。野球界には脚光を浴びないヒーローたちがいる。
自身のことには一切触れず、職人に光を当てるところが、いかにも柳田らしかった。