香川「栞や」 スパイスカレー片手にこんぴら参り!参道沿いの栞とカレーの店

旅人へひとこと

片手で持てる参拝カレーって一体?本と栞を旅をするってどういうこと?
魅力たっぷりのお店を紹介します。

はじめまして。カレー細胞こと、松宏彰と申します。毎日カレーを食べ続け、訪問したカレー店は4,000軒近く。日本全国・海外のカレー店を紹介したり、カレーをテーマにしたイベントをプロデュースしたり、最近は雑誌やテレビのカレー特集の仕事も増えてきましたが、実は本業はCMやアニメの監督です。

今回は、旅先で出会ったとっておきのお店を紹介しましょう。

江戸庶民が憧れた旅の場所『こんぴらさん』。

香川県・琴平町にある『金刀比羅宮(ことひらぐう)』、通称『こんぴらさん』。江戸時代には「金毘羅参り」と称して全国から人々が訪れるなど、憧れの旅先として人気の名所でした。その一番の特徴は参道の長い長い石段。参道の入口から御本宮まで785段、奥社まで登るとなんと1,368段!!

だいぶ足に堪えますが、登りつめたあとの達成感こそが旅の醍醐味といえるのでしょう。

『こんぴらさん』へは高松市内から琴電で1時間ほど。

琴平駅へ降り立てばそこはもう、門前町の賑わいです。

参道を100段登ると、素敵な場所に出会える!

『こんぴらさん』こと『金刀比羅宮』の参道。

名物の長い長い石段を登り…

登り…

登り…

ちょうど100段目。

鳥居と『備前焼狛犬』との脇をくぐり、左の道へ。

ここです。

ここが、栞と本とカレーの店

『栞や』です。

ご店主の銀三郎さんはチャンネル登録数 約10万人のYouTuber 。

調理を担当する奥様のさなえさんは元ヨガのインストラクター。

2人で岡山から、さなえさんの祖父母が所有していた古民家へと移住、DIYでの改装を経て2018年、この『栞や』をオープンしました。

ちなみに「こんぴら」の語源はサンスクリット語の「クンビーラ」。インドのガンジス川にすむ鰐を神格化した守護神なんです。実はインドとも縁がある場所なんですね。

立体的で、温もりがあって、ワクワクする店内はずっといても飽きません。

人も、本も、栞も旅する。

『栞や』のコンセプトは "人生というひとり旅を彩る"。

店内にはさまざまな仕掛けが待っています。

旅のお供になりそうな古本の販売。

お店のあちこちにある、季節感豊かな絵画。

これら絵画の一部を切り取った「お守り栞」も販売されています。

そして、本と栞を物々交換できる本棚『旅する栞や文庫』も店内に設置。

これが素敵なんです。

本を一冊持ってきて、栞と一緒に物々交換しよう。

店内にある「旅する栞や文庫」は、
1. 本を一冊持ってくる
2. 本に合う栞を一枚選ぶ(500円で購入)
3. 便せんにひとこと書く
4. 封筒の宛名「○○な人へ」を書いて、本と栞と手紙を入れて封入する
5. ポスト内の1冊と交換する
という仕組み。
この場所を訪れた、知らない誰かの思いがあなたに届きます。そしてあなたの思いも、次に訪れる誰かが受け取ってくれるはず。旅先の不思議なご縁です。

カレーもチャイもチャイ子も素晴らしい

料理をオーダーするときは、好きな場所へと陣取りましょう。ゆっくり本を読みながら待つひとときも贅沢ですよ。

「山の三日月カレー トリタマ乗せ」(1,091円)

夜空色の器に三日月型のターメリックライス。

オリジナルのベジカレーです。

特製醤油に漬けこんだ「ミニ骨付鳥」と「卵のピクルス」つき。

その時々、香川で採れた季節野菜が用いられており、この日の食材は里芋。

野菜の食感もさることながら、椎茸からの出汁感がとても印象的なカレーです。

添えられたスープはムング豆を使用。これが実に素晴らしかった。豆自体の甘みをしっかりと活かしており、メインのカレーと混ぜると立体的な旨みへと変わってゆきます。

「ミニ骨付鳥」は食べ応え充分、「卵のピクルス」も酸味たっぷりでなかなか面白いですね。

「栞や特製マサラチャイ」(445円)

「3種のスパイススコーンセット」(556円)※ドリンクとセットの場合100円引き

シナモン・カルダモン・チョコオレンジ…優しい食感にスパイス香るスコーン。カルダモンがしっかり香り、程よく甘いチャイ。

石段を登った疲労感がみるみる消えてゆきます。

あ…看板ネコのチャイ子さんの貫禄も素晴らしいですよ。

「こんぴらさん」名物・参拝カリーとは?

そして忘れてはいけないのが「栞や」ならではのスペシャルメニュー。

その名も「参拝カリー」

片手で持って参拝できる「参拝カリー」

「こんぴらさん」へ参拝に来た人たちが歩きながら、手軽にカレーが食べられるスタイルを、と考案されたのがこの「参拝カリー」。2種のスパイスカレーとご飯が層状になっており、食べ進むにつれ味が変化しながら混ざり合うという仕掛けです。みんながこのカレーを片手にこんぴら参りをしている、そんな未来が目に浮かびます。
※「参拝カリー」はマイカップ持参で100円引き

こんぴらさん参拝の際には絶対立ち寄りたい。

いや、この店を目当てにこんぴらさんを訪れても良い、そんな素敵なお店です。

参道にあるシャッターアートも「栞や」さんが制作したもの。栞の画家さんの絵ですね。

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Twitter:https://twitter.com/hm_currycell

栞や

〒766-0001 香川県仲多度郡琴平町1063−2

*この記事は2020年10月時点の情報を基に作成しています。

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ライター:カレー細胞(松 宏彰)

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