江ノ電が湘南MaaS デジタル1日乗車券、シェア自転車 利便性と回遊性向上

1日乗車券「のりおりくん」の電子チケット

 江ノ島電鉄(神奈川県藤沢市片瀬海岸)は、湘南エリアを対象に多様な移動手段を一体的に提供するサービス「MaaS(マース)」を活用したプロジェクトをスタートさせた。デジタル版の1日乗車券の発行やシェアサイクリングといった新たなサービスを展開し、同エリアへの来訪者や地域住民の利便性向上、回遊性向上による観光活性化につなげる。

 同社は3月末から「湘南MaaSプロジェクト」に着手。第1弾として、複合経路検索アプリ「EMot(エモット)」を活用し、全線で利用できる1日乗車券「のりおりくん」の電子チケットの販売を始めた。

 EMotストアで購入したチケットはスマートフォンに表示され、駅員に提示することで、駅に並ばずキャッシュレスでどの駅でも乗降できる。沿線の飲食店や観光施設など40を超える優待施設の情報も調べることができるのも大きな特徴だ。

 電子チケット販売は実証実験の一環として9月30日まで実施。料金は650円(大人のみ)。同社は「アプリ内で優待内容を確認し、各施設のホームページにも移動でき、お得な観光施設巡りに役立つ」と説明。「湘南エリアで新しい生活、観光スタイルを提供し、地域団体や観光商業施設との協働も積極的に進めたい」としている。

 第2弾として、シェアサイクリングのOpenStreet(東京都)と業務提携。同社が提供するプラットフォーム「HELLO CYCLING」の運営事業者として、シェアサイクリングサービス「SHONAN PEDAL」を開始した。関東地方の鉄道会社としては初めての取り組みという。

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