照ノ富士が優勝一夜明け会見 来場所綱取りへ「力を振り絞って最後までやりたい」

伊勢ケ浜親方から優勝旗を受け取る照ノ富士

大相撲夏場所で2場所連続4度目の優勝を果たした大関照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)が24日、東京・江東区の部屋でリモートによる会見を行った。

連覇達成から一夜が明け、自身にとって大関初Vとなったことに「大関での優勝がないと次の番付が見えてこないので、よかったと思います」と改めて喜びを口にした。

21場所ぶりに大関に返り咲いた15日間では、11日目(妙義龍戦)、14日目(遠藤戦)と物言いがついた一番で黒星を喫したが、いずれも審判長を務めたのは師匠の伊勢ヶ浜親方(60=元横綱旭富士)だった。照ノ富士は「親方の立場もありますし、そういった面でちゃんと判断しないといけないのもありますから、自分がダメだったと思って気持ちを切り替えた」と振り返る。

千秋楽は大関貴景勝(24=常盤山)に本割りで敗れるも決定戦を制しての優勝。「体に任せてという感じだった。考えてどうこうというのは、ここまでの人たちとやるとできないこと。稽古でやったことしか出ないので、一生懸命全力を出しきろうと思った」

名古屋場所(7月4日初日、愛知県体育館)では、いよいよ綱取りに挑戦する。両ヒザに不安を抱え、残されたチャンスは多くないと自己分析しており「いつ何が起きるか分からない状態で土俵を務めている。いつやめてもおかしくない覚悟で今日で最後かもしれないという思いでやっている。心の準備をして納得できる終わり方をしたい」と内に秘めた思いを明かす。

大関は「そこ(横綱)を目指してあと一歩のところまで来ている」とした上で「できたらできたでいい、できなかったらできなかったでいい。力を振り絞って最後までやりたい」と言葉に力を込めた。

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