【NPB・J会議】広島コロナ感染で対策見直しも 斉藤コミッショナーは「ワクチン副反応」で注目発言

NPB斉藤惇コミッショナー

日本野球機構(NPB)とJリーグが合同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第32回会合が24日、Web会議システムにて実施された。

プロ野球の広島では新型コロナウイルスの感染者が23日までにチーム内で計12人確認されている。まず最初に球団側は17日にチーム内で3人の感染者が出たことを発表し、他の選手、スタッフらチーム関係者全員がPCR検査で陰性となり、保健所からも濃厚接触者はいないとの判断を得たことで18、19日の試合を予定通りに開催。ところが、その後に感染者が拡大したため、21日から組まれていた対阪神3連戦(マツダスタジアム)の延期を決めた。

会議終了後に行われたオンライン合同会見で専門家メンバー座長を務める東北医科薬科大の賀来満夫特任教授は、この広島で発生した大量感染の事例について「どういったところに問題点があったのかということを、これからまた検証していく必要性がある。PCR(検査を)しっかりやったんだけど、そのあとからまた(陽性者が)出てくるということを考えれば、やはり変異株の関係があるとすると、今までの考え方では若干不十分である可能性があると思う。これからは全く局面が違って、多くのチームでも感染例が多くなるかもしれない。PCR検査は繰り返しやっていくことが必要だと思うが、今までのガイドラインでは不十分なのではないかということを前提にしっかりと検証していきたいと思っている」と述べ、今後早急に対策の見直しを図ることも視野に入れるとした。

また、同会見の場ではNPBの斉藤惇コミッショナーが別件として「我々の場合、アスリートと(新型コロナウイルスの)ワクチンの関係というのも関心を持ってやっていきたいと思っている」とコメント。その後、具体的に「常にお話がいろいろ(会議の専門家メンバーの)先生方からも出ていることが、私の関心事。副反応というのが、このワクチンにはあるということで。アスリートの場合は、やはりコンデイションがベストを出すためには非常に重要。選手の気持ちになれば、できるだけ自分の体調を他の要因で調整不可能にならないようにしたいという気持ちはよくわかる」とも説明した。

さらに「社会的な問題とか(一般の人よりも)先に打つのがどうこうということよりも、選手の中には『打ちたくないな』とパフォーマンスをベストにするために、そういう選手もかなりいるだろうと拝察する。そういう場合にいずれ夏ごろになると日本国民、若い人も全部打つという動きになってくる中でむしろ、アスリート、野球選手のような方々こそ率先して打つべきだと〝社会的圧力〟という声が出てくるんじゃないかと。選手の立場からすると非常に悩むと思う。そこで医学的にこのワクチンが、スポーツ選手の体調がどのぐらい、調整に時間がかかったりするのかということに関心があり、そういうことに非常に気を使っている」と語っていた。

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