【全米プロ】メジャー史上最年長Vのミケルソン 勝利の要因は「マスターズ」Vの松山英樹と同じTPIメソッド

優勝スピーチで喜びを表したミケルソン(ロイター)

男子ゴルフのメジャー「全米プロ選手権」はフィル・ミケルソン(米国)が50歳11か月でのメジャー史上最年長Vを達成した。アリゾナ州立大の学生だった1991年にアマチュアでツアー初Vを挙げてから30年に渡って第一線で活躍できる秘訣は、「マスターズ」で優勝した松山英樹(29=LEXUS)と同じメソッドに基づくトレーニングにあった。

飛ばし屋のブルックス・ケプカ(31=米国)と同組になった最終日、ミケルソンは飛距離で堂々と張り合い、16番パー5のティーショットでは366ヤードを記録し、この日プレーした81選手で最も飛ばした。

その肉体作りを支えているのが、2003年からコンビを組むスポーツ・パフォーマンスコーチのショーン・コクラン氏(49)だ。

ただし、パワーアップのために一般的にイメージするようなハードなトレーニングをするのではない。「彼(コクラン氏)は私の体を大きくしようとするのではなく、体の機能が正しい順番で動くようにしてくれた」(ミケルソン)。

指導を受けるようになった03年当時は、どうしてもメジャーで勝てなかった時期。それが翌04年の「マスターズ」でメジャー初優勝を挙げると、今回の「全米プロ」でメジャー通算6勝目となった。

足首、臀部、胸椎、肩といった体幹や手首の柔軟性を重要視して指導するコクラン氏は、松山を指導する目沢秀憲氏(30)と同じ「TPI」(Titleist Performance Institute)の資格を持つ。

画一的なスイング論を押し付けるのではなく、ミケルソンの筋力や柔軟性・年齢などを考慮した上で最も効率的な動き(スイング)ができるようにトレーニングを指導。その効果をミケルソンは「体に負担のないスイングができている」と語る。

3年前からは、やはりTPIのスタッフの勧めでMCT(中鎖脂肪酸)オイル入りのコーヒーを飲んでダイエットに成功した。

「ショーン・コクランとTPIスタッフによるトレーニングのおかげで、私の競技人生は確実に延びた」とかつて語っていたミケルソン。史上最年長Vの快挙でその言葉を実証した。

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