元日ハム中村勝、メキシコ初登板初勝利 元同僚メンドーサGMのもとで好発進

2019年まで日本ハムでプレーした中村勝【写真:田口有史】

日本ハム2009年ドラフト1位・中村勝はメキシカンリーグ初登板初勝利

元日本ハムで、今季メキシカンリーグのマリアッチス・デ・グアダラハラでプレーする中村勝投手が22日(日本時間23日)、開幕2戦目となるヘネラレス・デ・ドゥランゴ戦に先発し、「メキシコ初勝利」を収めた。マリアッチスは今季からメキシカンリーグに加わった新しいチームで、かつて日本ハム、阪神で投手としてプレーしたルイス・メンドーサ氏がGMを務めており、中村はその縁もあって入団。5回4安打3四球3奪三振の投球で、14-7の大勝を貢献した。マリアッチスは初戦、3戦目も勝っており、開幕3連勝で北地区の首位に立っている。

コロナ禍の影響で2年ぶりに開催されたメキシカンリーグ。その新天地で、中村は丁寧なピッチングを続けた。初回を3者凡退で終えると、2回も1死から四球を与えたが、その後、併殺打で切り抜ける上々の立ち上がり。だが、3回に捕まった。2安打1四球で2点を失った後、2死二塁から左越え2ランを献上。内角を突いたボールだったが、3-4と一時逆転を許した。

味方が同点に追いついた後の4回も無死一、二塁のピンチを背負った。だが、中村は表情を変えることなく後続を打ち取り、2度目の勝ち越しは許さず。5回も3者凡退で仕留め、リリーフ陣にマウンドを託した。

試合が行われた本拠地グアダラハラは標高約1550メートルの高地。気圧が低いため、変化球が曲がりにくく、低地に比べて打球が飛ぶため、同地での試合は乱打戦になることが多い。しかも、この日の試合開始午後5時時点の気温は33度。湿度も日本よりも低い11%という厳しい条件だった。そんな、投手にとって不利と言われるボールを操りにくい環境の中、中村はコースにボールを集めて5回を投げ切り、先発としての役割を果たした。

開幕直前、元メジャーリーガーでもあるベンジャミン・ヒル監督は、中村を先発6人のうちの3番手として開幕3戦目で起用することを明かしていた。だが、チーム事情で2戦目に変更。球場では日の丸をあしらい、漢字で「中村」と書かれたハチマキが販売されるなど、チームの期待は大きい。

エイドリアン・ゴンザレスと同僚、中村勝「最後まで戦い抜けるように」

ミゲル・アンヘル・ロペス投手コーチも開幕前、中村について、球団公式フェイスブックのインタビューで「ブルペンでの投球を見たが、フィジカル的にも状態はとても良い。ボールが日本とはかなり違うので、握った感触はだいぶ違うと言っていたが、心配することではない。すぐに慣れるだろうし、慣れればよりいい投球をしてくれるだろう」と期待を寄せていた。

中村は開幕前、球団公式フェイスブックのインタビューで「皆、すごくフレンドリーに接してくれて、すごくやりやすい環境だなと思う。しっかり開幕のメンバーに残って、最後までメキシコのリーグでしっかり最後まで戦い抜けるようにやっていきたい」と話していた。同チームには元メジャーリーガーのエイドリアン・ゴンザレス内野手も所属。今季からリーグのチーム数はマリアッチスを含め2増の計18チーム(南北各地区9チーム)となっており、新チームとして国内での注目度は高い。

コロナ禍の影響でリーグは今季2年ぶりの開催。レギュラーシーズンも例年の約半分となり、8月上旬までの66試合と短いが、中村はリーグの公式SNSでも、今季メキシコでプレーする外国人選手の1人として紹介されており、メキシコでの奮闘に注目が集まる。

中村は春日部共栄から2009年ドラフト1位で日本ハムに入団。19年まで10年間プレーし、60試合15勝17敗、防御率4.07の成績を残していた。その後、オーストラリアのブリスベン・バンディッツで20-21年シーズンを過ごした後、マリアッチスに移籍している。

【動画】日ハム時代と変わらぬ投球 中村勝が4回2死二、三塁のピンチを脱する実際映像

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(Full-Count編集部)

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