長崎市 85歳以上ワクチン接種開始 月内、75歳以上にも予約券

高齢者にワクチンを接種する看護師(左)=長崎市内の医療機関

 長崎市は24日、85歳以上の高齢者に対する新型コロナウイルスワクチンの個別接種を始めた。同日だけで148の医療機関に計1230人の接種予約があり、おおむね順調に進んだ。月内に75歳以上にも接種券を発送する予定だ。
 市は接種対象を▽施設入所者▽85歳以上▽75~84歳▽70~74歳▽65~69歳-の順に広げ、7月末までの完了を目指す。本年度中に85歳以上となる約2万7500人に対しては今月上旬に接種券を送った。集団接種は6月中旬から土日に実施する準備を進めている。個別接種は約280の医療機関で予約を受け付けており、24~29日の6日間で約9100人の予約が入っている。
 個別接種初日の24日、市内のある医療機関では男女24人が予約していた。医師の問診後、看護師による接種を受け、体調変化がないか確認するため15分間ほど待機。医療機関側は急な予約キャンセルに備え、近隣の介護施設入所者に余ったワクチンを回せるよう調整していたが、同日のキャンセルはなかった。
 接種を受けた同市野母町の河原テイ子さん(84)は「針がチクッとしただけで(体調の異変は)どうもない。(接種を受けて)安心した」と話した。
 市によると市内では同日午後2時半現在、1人分のワクチンが余り、代わりに救急隊員に接種したケースがあった。

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