多摩エリアに新たな通勤の足 都心直結の高速バス

“ウィズコロナ時代”に新たな通勤スタイルの提案です。東京の八王子、日野エリアの住宅街から新宿へ乗り換えなしでアクセスできる高速バスが6月から運行を開始します。一足早く報道向けの試乗会が開かれ、バス車内が公開されました。

「通勤ライナー」は、平日早朝4時39分に八王子市の横川バス停を出発し、八王子市や日野市内の住宅街のバス停9カ所を回った後、高速道路を通って新宿駅西口までを2時間弱で結びます。運行する西東京バスの井上喜央営業部長は「路線バスでJR八王子駅や京王八王子駅を利用する人が多いので、住宅街からダイレクトに都心を結ぶことに商機があるのではないかと考えた」と話します。

バスの定員は42人で、Wi-Fiやトイレも設置されています。また、車内は常に外の空気が入るようになっていて、およそ5分で車内の空気が入れ替わる空調設備など、感染対策も図られています。運賃は片道1000円(ウェブ決済・交通系ICカード)で、通勤費の支給が定期券から実費精算にシフトしていることを踏まえ、領収書の発行にも対応しています。

今回の運行ルートはコロナ禍前の人流を調査し、需要が見込まれるエリアを絞り込んだということです。西東京バスの井上部長は「携帯電話のロケーションデータ(ビッグデータ)を半年ほど契約して、バス利用者で新宿に向かう人がどの辺りに住んでいるのか分析し、運行ルートを設定した」と説明しました。

通行会社では、新宿行きの1便当たり20人以上の利用を目指しています。

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