落球で痛恨3点エラーの桑原を“懲罰交代” DeNA三浦監督バッサリ「らしくない」

DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】

9球ファウルで粘り、15球目で四球を選んだ伊藤光の姿勢を称賛

■オリックス 14ー5 DeNA(26日・横浜)

セ・リーグ最下位を低迷するDeNAは26日、前日の交流戦開幕戦で大勝したのもつかの間、今季ワーストの14失点で両リーグ最速の30敗目を喫した。本拠地・横浜スタジアムで行われたオリックス戦。先発の大貫晋一投手が2回途中に早々とKOされたのをはじめ、まさかの判断ミスあり、落球ありの残念過ぎる内容で5-14惨敗だった。

大貫は初回1死から宗に中前打を許すと、続く吉田正に対し背中の後ろを通す暴投で得点圏に走者を背負い、直後に中前へ先制適時打を浴びた。さらに2死満塁からモヤに押し出し四球を与え、みすみす2点を献上した。

続く2回には、先頭の高卒2年目投手・宮城に中前へプロ初打席初安打を許し、1死後に宗、吉田正に連打を食らいさらに失点。三浦大輔監督はここで早くも2番手・中川にスイッチした。大貫は1回1/3、6安打5失点KO。昨季はチーム勝ち頭の10勝(6敗)、防御率2.53をマークしてブレークしたが、今季はこれで9試合1勝5敗、防御率7.40という別人のような投球が続いている。

三浦大輔監督は「良くなる兆しが全く見えなかった。ボールが先行し、光(捕手の伊藤光)も苦労していると感じた」と説明。「次回はしばらくない。抹消します」と大貫の2軍落ちを明言した。

交流戦最高のスタートも一夜で暗転…

その後もいただけない。2回1死一、三塁で登板した中川は、ロメロを高いバウンドの三ゴロに仕留めたが、サードの宮崎敏郎内野手が間に合わない本塁へ送球しオールセーフ。なおも2死満塁から、モヤは平凡な中飛を打ち上げたが、センターの桑原将志外野手がまさかの落球。走者は一掃され、痛恨の3点タイムリーエラーとなった。桑原は3回の打席で中飛に倒れると、4回の守備からベンチに退いた。三浦監督は「もちろん捕らなきゃいけない。らしくないエラー。次の打席も見ましたが、替えました」と、名誉挽回のチャンスを1打席与えた上で“懲罰交代”に至ったことを明かした。

桑原は今月12日の巨人戦でも、9回2死から内野フライを打ち上げた際、気落ちしたためか全力疾走を怠り、相手野手が落球したにも関わらず一塁ストップの失態を演じ、三浦監督から苦言を呈された経緯がある。チームの負けが込む中、集中力を欠いていたといわれてもしかたがないプレーを放置しては、示しがつかないだろう。

一方で三浦監督は、10点ビハインドの6回の攻撃で、伊藤光が9球ファウルで粘り、15球目を選んで四球で出塁した打席を称賛。「あの姿勢は明日につながる」と語った。9回には、途中出場した3年目の知野直人内野手がプロ初安打を左翼席への1号ソロで飾った。

前日25日の同カードで10-3の大勝を収め、交流戦を最高の形でスタートしたものの、一転して今季最悪に近い負け方。それでも三浦監督は褒めべきところは褒め、巻き返しへの糸口を必死に手繰り寄せようとしていた。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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