ダカール2度優勝のトビー・プライスが『ミツビシ・トライトン・トロフィートラック』を発表

 5月25日、ダカールラリーの二輪部門で2度の優勝経験を持つKTMファクトリーライダーのトビー・プライスは、オーストラリア・クイーンズランド州のバーレイ・ヘッズで、真新しいミツビシ・トライトン・トロフィートラックを発表した。

 オーストラリアのオフロードレース『フィンケ・デザート・レース』で通算6勝をマークしているプライスは、来月11日から14日かけて行われる2021年大会への出場を予定。33歳の彼はバイクからトラックへと乗り換え、自身7度目の勝利を目指すことになる。

 ホワイトベースのレッドブルリバリーでお披露目されたTSCO製のトロフィートラックは、広範囲にわたる設計と製作プロセスを経て先週、シドニーに到着した。2019年以来、2年ぶりに開催されるフィンケ・デザート・レースでのデビューが予定されているこのマシンのボディワークは、ミツビシの海外向けピックアップトラック、トライトンGSRとトライトン・コンセプト・トラックがモデルになっている。

 搭載されるエンジンはドゥーガンズ製の6.0リットルV8自然吸気で、これに6速シーケンシャルギアボックスとパドルシフトが組み合わされる。その他、MoTeCシステムや最新のFOXショックを採用し、メソッド製ビードロックリムとBFグッドリッチタイヤを履く。

 プライスはトライトンをモデルにしたボディのコンセプトを2020年初頭に初めて実現して以来、ミツビシ・モータース・オーストラリア、ミツビシのトライトン・デザインチーム、さらにアメリカのファイバーワークス社と緊密に協力し、彼の描くビジョンを実現してきた。

「コンセプト・ユートと同じトラックを作るために費やされたすべてのハードワークと、その成果を皆に見てもらうため、ようやくカバーを外すことができてとてもハッピーだ」と語ったプレイス。

「ついに(ビジョンが)実現するのをみると、まるで現実ではないみたいに感じるよ。COVID-19と輸送時間の関係でここまで持ってくるのは簡単ではなかったけど、今はもうアリスの赤土の上でこのトラックを走らせるのが待ちきれないんだ」

「このプロジェクトを実現させるために協力してくれた三菱自動車に感謝している。これは、これまでにできたことの中でもっともクールなことのひとつであり、僕は恋している!」

 特別版のモノクロ・レッドブルカラーに彩られ、ミツビシの“ダイナミック・シールド”がフロントマスクに反映されたトロフィートラックを発表したプライスは、トリプルエイト・レースエンジニアリングとの提携もあわせてアナウンス。RCSレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップで活躍するチーム・レッドブル・アンポル・レーシングのチームマネージャーであるマーク“ダッド”ダットンが、彼のデビューレースでヘッドナビゲーターを務めることが明らかにされた。

 昨年は新型コロナウイルスによるロックダウンの影響で中止となったフィンケ・デザート・レースの2021年大会は6月11~14日、オーストラリアのアリス・スプリングで開催される。

トビー・プライス(右)とマーク“ダッド”ダットン(左)
2021年もKTMファクトリーライダーとしてダカールラリーに挑戦したトビー・プライス
過去6度、二輪でフィンケ・デザート・レースを制しているトビー・プライス。2021年はトラックに乗り換えてレースに挑む

© 株式会社三栄