ジェーン・バーキン「時代を先取りしていて衝撃」 「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」公開にメッセージ

作曲家・作詞家・歌手・俳優・映画監督・小説家として活躍したセルジュ・ゲンズブール没後30年を記念して、ゲンズブールの初映画監督作「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」の「4K完全無修正版」が、5月29日より劇場公開される。このたび、主演を務めたジェーン・バーキンによるメッセージ動画が公開された。

公開されたメッセージ動画は、今年の4月にジェーン・バーキン本人によって撮影されたばかりのもの。ジェーン・バーキンとセルジュ・ゲンズブールは「伝説的なカップル」として日本でも大人気となった。かつてのパートナーでもあるセルジュ・ゲンズブールのメモリアルイベントである本作の公開を祝してメッセージを寄せた。

動画の中でバーキンは、「こんにちは ジョー・ダレッサンドロと私が主演したセルジュ・ゲンズブールの『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』は洗練された美しいリマスターで蘇りました。この作品はかなり時代を先取りしていて衝撃でした。興味深いことにフランソワ・トリュフォーがこんなことを言っています。“私の作品より『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』を観ろ”と。なので時代を先取った映画で、ジョーも時代の先駆者でした。では劇場でお会いしましょう。さようなら。ありがとう」とメッセージを送っている。

「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」は、1969年にリリースされたセルジュ・ゲンズブールの同名の楽曲をモチーフに作られた映画。ジェーン・バーキンとのデュエットソングである元の楽曲は、性行為を思わせる歌詞や歌中に収録されたあえぎ声が物議を醸した。ヨーロッパのほとんどで放送が禁止されたが、本国フランスや日本など世界的な大ヒットとなった。

映画「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」では、文明社会のゴミ捨て場を舞台し、マイノリティが虐げられて暴力が蔓延する世の中で、愛なしには生きることができない哀しい人々を描く。随所に「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」のインストゥルメンタル版が使用されている。主演のジョニーを演じるのはジェーン・バーキン。ジョニーと惹かれ合うクラスキーは、ポップ・アートの旗手アンディ・ウォーホルに発掘されたジョー・ダレッサンドロが務めている。

1975年の公開時、ヌーベル・ヴァーグを代表する映画監督フランソワ・トリュフォーからは絶賛されるも、多くの酷評を受け、赤裸々な同性愛の描写も理解されなかった。イギリスなどでは性表現のきわどさから上映禁止となり、日本では1983年に性的なシーンを修正した英語版がようやく公開された。その後、1995年のリバイバル上映時にもやはり修正が加えられていた。

【作品情報】
ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4K完全無修正版
2021年5月29日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
配給:セテラ・インターナショナル
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