工藤監督も首を傾げる「四球、四球、ドーン」の笠谷不振の原因

笠谷俊介

期待をかけて送り出したが、結果は振るわなかった。ソフトバンク・工藤公康監督(58)は27日の中日戦(バンテリン)に、笠谷俊介投手(24)に先発機会を与えた。150キロを優に超える球威ある真っすぐが持ち味の7年目左腕。今季は開幕ローテを掴んだが、今月4日の楽天戦での先発を最後に中継ぎに配置転換され、この日は先発再奪取のチャンスだった。

結果は3回0/3、2安打5四球3失点。4回に先頭からストレートの四球を連発して同点3ランを被弾すると、直後に交代を告げられた。指揮官は「四球、四球、ドーンというのはチームに与える影響も大きいので、あそこで代えるという選択になった」と説明。かねて貴重な先発左腕として手塩にかけてきただけに、胸中は複雑だったはずだ。

ただ、これで終わったわけではない。中継ぎでは躍動する左腕が、先発では窮屈な投球になってしまうのはなぜか。笠谷再生を諦めるわけにはいかない指揮官は試合後、次のように語った。「ピタッと合う時はストライクが入るんだけど、ちょっとズレちゃうとそこからなかなかストライクが取れない。変化球でもストライクが取れないという状況で苦しくなって…(最後は痛打される)。3点を取られた時もそういう状況になってしまった」と現状を分析。その上で「技術的な問題なのか、マウンドに上がる時の精神状態の問題なのか確認しないといけない。ちょっと今のままでは厳しい」と、投手コーチらとともに不振原因を解明するとした。

今後は「ストライクが入らなかったら、中継ぎに戻してもあまり意味がない。逆にそれがストレスになってしまうこともある。一旦、ファームの方に行く可能性も高い」と二軍再調整を基本線とした。現在ファーム調整中の高橋礼とともに、笠谷もまた次代を担う投手。悔しさを糧に壁を乗り越えられるか。

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