長崎被災協・被爆二世の会 会長 佐藤氏から山崎氏に

佐藤直子氏 (左)、山崎和幸氏

 長崎市などの被爆2世らでつくる「長崎被災協・被爆二世の会・長崎」の佐藤直子会長(57)=同市=が今月末で退任し、後任に副会長の山崎和幸氏(68)=西海市=が就くことが28日、分かった。佐藤会長は同会の設立当初から9年間務め、会長交代は初めて。山崎氏の任期は6月1日からで1年ごとに更新する。
 同会は2012年5月、核廃絶運動や被爆体験の継承、2世援護の拡充などを目的に設立。被爆者の高齢化が進む中、長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の行事運営などを支える上でも、重要な役割を担っている。会員は約80人(賛助会員含む)。
 山崎氏は大村市出身の被爆2世で、19年から同会副会長。大村で働いていた父源市さん=享年(88)=は原爆投下の翌日、20歳で入市被爆。長崎市に住む姉夫婦の安否を確かめるため市中心部を訪れ、折り重なる遺体や水を求める負傷者を目撃したという。山崎さんは「核兵器は人間を否定する兵器。会員の拡大や財務体質の強化によって活動の幅を広げ、継続的に平和を希求していく」と語った。
 任期満了に伴う役員改選で、書面決議により山崎氏を会長とする案を承認。佐藤会長は、語り部活動に長年取り組んだ被爆者の池田早苗さん=享年(86)=の長女で、来月から副会長に就く。

© 株式会社長崎新聞社