横須賀・ヴェルニー公園に明治期の洋館再現、観光などの拠点に 神奈川

明治期に建てられた西洋館を再現した「よこすか近代遺産ミュージアムティボディエ邸」=29日、横須賀市汐入町1丁目

 明治期に建てられた西洋館をヴェルニー公園(横須賀市汐入町1丁目)内に再現した「よこすか近代遺産ミュージアムティボディエ邸」が29日、オープンした。横須賀製鉄所(造船所)の成り立ちなどに加え、市全体をミュージアムと捉える「よこすかルートミュージアム」構想の拠点として、市内各地の名所を紹介している。

 ティボディエ邸は、同製鉄所副首長だったフランス人技師ジュール・セザール・クロード・ティボディエの官舎として、現在の在日米海軍横須賀基地の敷地内に1869(明治2)年ごろに建てられた。2003年に解体されたが、市民の要望もあって市が公園内に再現した。

 当時の部材を一部活用した邸内では、同製鉄所の歩みをはじめ、技術や文化をパネルや展示品で紹介している。シアターも備え、横須賀造船所へ改称後の明治中期の様子を再現した3DCG映像も上映。デジタルマップにより市内の近代遺産や自然名所などの情報を見ることもできる。

 オープニングセレモニーに出席したフィリップ・セトン駐日仏大使は「日本の近代化の礎になったものをいろいろと示している。フランスが少しでも貢献できたのであれば、とても誇らしい」と語った。

 午前9時から午後5時まで。年中無休で入館無料。シアターは200円(高校生以下は無料)。問い合わせは、同邸電話046(827)7003。

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