愛甲猛氏が門倉健氏〝失踪〟騒動に苦言「追い詰められて出て来にくくなっているのでは」

失踪した門倉二軍投手コーチ

謎の失踪で球界内外に大きな波紋を広げている元中日二軍投手コーチの門倉健氏(47)の消息は30日現在、まだはっきりとしていない。民江夫人はテレビのワイドショーで「早く帰ってきてほしいです」と涙ながらに訴えるなど、安否が心配されている。では、今回の騒動を〝あの人〟はどう見ているのか。過去に失踪騒動を起こした元ロッテ、中日の愛甲猛氏(57)が本紙の直撃に答えた。

――門倉氏の失踪について、失踪経験者として話をうかがいたい

愛甲氏 門倉とオレとは状況がぜんぜん違うと思うんだけどね。オレの失踪騒動の時は、所属していた芸能事務所とのトラブルが原因だったわけですから。

――「愛甲猛、失踪」というスポーツ紙の一面大見出しの記事は衝撃的だった

愛甲氏 当時、オレは事務所のやり方に頭に来ていることがあって、事務所を辞めるつもりで連絡を一切、とっていなかったんです。そうしたら事務所の社長が「愛甲が失踪した」という情報を一部のマスコミにリークして、あの騒ぎですよ。一方、オレと仲のいいスポーツ紙の編集長からは「ほかの社の取材は受けないでほしい」と言われていたから、自宅に来たマスコミの取材を無視していたら、ますます大騒ぎになっちゃった。

――当時、千葉・船橋の愛甲さんのご自宅には私も取材に行きました

愛甲氏 家の近所のおばちゃんにまで取材を始めたりしたから本当にいい迷惑でした。カミさんの弟が用事があって夜、ワゴン車で家にきたことがあったんだけど「愛甲が帰ってきた!」って、オレと間違えて直撃インタビュー。失踪した理由について、あることないこと臆測で書かれるし、あの時はマスコミの怖さを嫌というほど感じましたね。

――失踪は仕組まれた騒動だった

愛甲氏 のちに事務所の社長にたまたま会ったときに「オレを陥れようとしたんでしょ?」と聞いたら「そうだ」と言ってましたから。ただ、今の門倉の騒動を見ていると、マスコミの怖さはオレの時と同じように感じますね。それと同時に一般人の人たちの怖さも感じます。

――といいますと

愛甲氏 いなくなった原因なんて、本人しかわからないわけじゃないですか。それをどこまでが事実かわからない情報をもとに、臆測で「金なんじゃないか」「女なんじゃないか」なんて、みんなが勝手に適当なことを言いまくっている。もちろん本当に心配している人もいるんだろうけど、マスコミは興味本位で面白おかしくあおっているわけだし、それはオレの騒動のときと同じような気がします。今の騒動を門倉本人がどう思っていると思いますか? どんどん追い詰められて出て来にくくなっているのでは。オレも相当嫌な思いをしたから、そうなんじゃないかなとは思っています。

――周囲はあまり騒ぎすぎないほうがいいと

愛甲氏 ほっておけばいいんですよ。門倉本人の意思で隠れているのであれば、そのうち出てくると思いますよ。

【門倉氏失踪の経緯】
5月13日=自身のオフィシャルブログを更新。

5月15日=中日二軍の練習を無断欠席。自宅には財布、携帯電話が置かれたままだった。

5月16日=家族が愛知県警に捜索願。

5月20日=中日球団に同日付の消印で「一身上の都合により退団させてもらいます」との退団届が郵送。家族に本人直筆のものなのかを確認。家族にも「突然のことでごめんなさい」との手紙が届く。消印は横浜市。

5月26日=中日球団が退団届を受理。公表。

5月28日=民江夫人がテレビ局の電話取材に応じ「早く帰ってきてほしいです」。金銭トラブル説などを否定。

☆あいこう・たけし=1962年8月15日生まれ。神奈川県出身。横浜高で80年夏に全国制覇を達成し優勝投手となる。同年秋、ドラフト1位でロッテ入団。3年間の投手生活の後、打者転向。96年に中日移籍、代打の切り札として活躍し、99年の優勝に貢献する。2000年に引退。535試合連続フルイニング出場は当時のパ・リーグ記録。球界の裏側を暴露した著書「球界の野良犬」(宝島社)などで球界を騒然とさせた。現在はタレント、解説者、実業家、ユーチューバーとしてマルチに活躍中。クラブチーム「東京メッツ」でコーチを務める。

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