聖火リレーばらまきグッズ続々出品 ひと儲けたくらむ転売ヤーの実態

限定タオルだけに高値がつく

東京五輪の聖火リレーは、新型コロナウイルスのまん延で、有名人の辞退や公道での開催を中止とする自治体も相次ぎ、今や形式上のセレモニーとなりつつある。浮いた存在となってしまっているのが、協賛企業の派手な宣伝車。企業側が沿道の人々に配る記念グッズは、ネットで転売され結構な値で取引されている。

先日、山梨県知事が「グッズか何かを配りまくって、あえて人を寄せてしまうようなやり方はいかがなものだろうか」と苦言を呈した。

公道を走るリレーの場合、スポンサーの大型宣伝車や大勢の応援スタッフが聖火ランナーの10分ほど前に通過する。車上にはド派手な衣装のDJやダンサー。音楽や効果音を爆音で鳴り響かせ、四方八方にハイビームのライトを光らせる。コロナ禍で経済が冷え込む地方都市では、おのずと目立つ。

西日本の公道で聖火リレーを追い掛けた40代男性によると「スポンサーに雇われた若者たちが大きな肩掛けバッグを背負っていた。その中には各企業がデザインした記念のタオルや扇子、クッション、飲み物が入っていて、沿道の人たちに片っ端から渡していた」という。

こうしたばらまきグッズが今、フリマアプリやネットオークションなどに続々と出品されている。落札相場はタオル1枚1000~5000円と、そこそこの値段。転売をもくろむある出品者は「一見、価値がなさそうだが、さすがに五輪の国内開催とあって需要はある」と指摘する。

「車で先回りしてリレー見物すれば、グッズはいくらでももらえる。タオルは最低1本1000円になると考えたら、仕入れはタダだからすごい利益率だ」と前出男性も興奮気味。

聖火リレーは6月に北日本、東日本エリアで行われる。沿道にはこうした“転売ヤー”も交じって“密”にならないとも限らず、いろいろと物議を醸しそうだ。

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