3歳馬の頂上戦、日本ダービー(30日=東京芝2400メートル)は、4番人気のシャフリヤールが制して88代目の栄冠に輝いた。一方、桜花賞2着からの臨戦となったサトノレイナスは2番人気に支持されたものの5着に終わった。
07年ウオッカ以来の牝馬Vなるかで話題を呼んだサトノレイナス。ルメール騎乗もあって2番人気に支持されたが、勝ったシャフリヤールから0秒2差の5着に敗れた。
「完璧なレースができなかった」(ルメール)、「もう一度、やり直したい」(国枝調教師)という陣営の言葉通り、やや消化不良の競馬だった。道中が縦長の隊列とはならず、終始4頭分の外めを回らされ続けたのが1つ目の誤算。3コーナーで外から後続馬がまくってきたのが2つ目の誤算だ。そこでスイッチが入ってしまい、4コーナーでは早々と先頭へ。ラスト2ハロン手前までは力強いフットワークを見せたが、坂上からがイバラの道だった。
「1~2コーナーではいいポジションを取れたが、外の馬たちが上がってきて走りたい気持ちになってしまった。直線でも頑張っていたが、最後は外にモタれてしまった」とルメール。悲願のダービートレーナーがお預けとなった国枝調教師は「距離は大丈夫だったけどな。なんとも厳しい競馬になってしまった。ただ、男馬に交じっても勝負になることが分かったし、この後はしっかりとケアしたい。秋は秋華賞(10月17日=阪神)が目標となるはず。何とかタイトルを取らせてあげたいから」と前を向いた。
快挙達成はならなかったが、性別に大きな差がないことも証明した一戦。近い将来、トップレベルの牝馬のダービー参戦は決して珍しくない事象となるかもしれない。