SNS“アカウント凍結”…言論の自由の侵害につながる?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。5月10日(月)放送の「フラトピ!」では、“アカウント凍結”について深掘りしました。

◆トランプ前大統領のSNSアカウントが凍結…言論の自由は?

Facebookの第三者機関となる監督委員会は5月5日、アメリカのトランプ前大統領のアカウントの無期限凍結について「基準を欠いている」と指摘したものの、凍結は「支持」すると発表。一方、トランプ氏は自身が立ち上げたWebサイトで、アカウントを止めたFacebook、Twitter、Googleに対し、「言論の自由がアメリカ大統領から奪われた」と主張しました。

発端は今年1月6日。アメリカ連邦議会議事堂にトランプ氏の支持者が乱入したことを受け、Twitter社がトランプ氏のアカウントを12時間凍結。そして翌日、Facebook社がFacebookとInstagramのアカウントを無期限凍結し、さらには暴力を煽動するリスクがあるとし、Twitter社もアカウントを永久凍結していました。

この一件に関して、キャスターの堀潤は「表現の自由が侵されたとは思わない」と言います。というのも、民間企業であるFacebook、Twitter、Googleが自身で判断し、さらにはトランプ氏も独自でWebサイト立ち上げることも可能だから。

一方、「東京新聞」整理部 整理記者の大島晃平さんは、「TwitterもFacebookも基本的には利用のルールがあり、それを破ったから(アカウントが)停止になる」と言いつつ、「結局ルールで定めても、それを運用するのは人。100%客観的というのはあり得ない」と指摘。そのため許容範囲が難しく、「昔メディアが"第四の権力”と言われたが、今はソーシャルメディアがそれになりつつある」と示唆。さらには今回Facebookが第三者委員会を作って判断したように、「凍結するか、許していくかは第三者の目を入れるのが大事」とも。

SNS各社のアカウント凍結に関する利用規約を見てみると、Twitter、Facebook、YouTubeは、それぞれ文言は異なるものの判断は各社が行っています。

キャスターの田中陽南も「サービスを使う側は、ルールを守るのは当たり前。それを守った上で使うものだから、(言論の自由が)奪われたということではないと感じる」と感想を述べます。

言論の自由に関しては、これまで長きに渡り議論が重ねられ、例えばヘイトスピーチでさえ言論の自由と主張する人がいる一方で、川崎市など行政で規制をかける動きもあります。堀はこの問題はどうあるべきか熟慮していましたが、大島さんも「本当に難しい」と潜思。そして、トランプ氏の件と同様、最終的に判断するのは人であるため「いかに客観性を持たせ、多くの人が納得できる仕組みが必要」と訴えます。

◆SNSとマスメディアの今後、注意すべきは…

昨今、SNSとマスメディアの関係は大きく変化してきていますが、SNSと報道、新聞のあり方について聞いてみると、大島さんは「メディアの"押し付け感”からの脱却」を標榜します。

この押し付け感をどうすれば解消できるのか考えてみると、「SNSとの関わりなのかなと思う。この番組でもたくさんの視聴者がツイートしてくれていますけど、(視聴者の)意見を取り入れ、聞いていくか、相互性ですよね」と話します。

さらには、「これは偏見かもしれないが」と前置き、「テレビや新聞など報道に関わっている方は、良い意味でも悪い意味でもプライドを持っている」と言います。しかし、若い大島さんから見ると、それは別にいらないものと感じているようで「視聴者や読者など、みんなと作っていく感覚が必要」と力説します。

そんな大島さんの考えに堀も共感。なぜなら、学生時代に同じことを思っていたそうで、だからこそSNSとの連動を歓迎し、テレビ番組が「視聴者のみなさんがカジュアルに(議論に)参加していただける、フラットにみんながいる場を作れたら」と思いを語ります。

一方で田中は「SNSはより個人の意見に近く、テレビや新聞、報道は事実というところにもしっかり確信を持っていなければいけない」と話していました。

この日は、視聴者に「どんな手段でニュース情報を得ていますか?」というテーマで生投票を実施。結果は以下の通りです。

◆どんな手段でニュース情報を得ていますか?
テレビ……832pt
新聞……228pt
ニュースサイト……664pt
SNS……320pt

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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