南米選手権ブラジル開催決定で猛批判 コロナで死者46万人超「死のトーナメント」

体温検査するブラジルの空港(ロイター)

サッカー南米選手権の新たな開催地に決まったブラジルで猛反発が起きていると、同国メディア「グローボ」など各メディアが報じている。

13日に開幕予定の南米選手権(コロンビア、アルゼンチン共催)はコロンビアがデモ頻発などの内情不安で開催権を剥奪。アルゼンチンは新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な状態なため施が見送られた。大会開催が危ぶまれる中、南米サッカー連盟(CONMEBOL)とブラジルサッカー連盟(CBF)、ブラジル政府が31日に協議し、急きょブラジル開催が決定した。

ただ「グローボ」によると、ブラジル国内もコロナ禍で苦しんでいるだけに、一部の議員たちが連邦最高裁判所に大会の差し止め請求を行うことを表明するなど、開催受け入れに批判の声が挙がっているという。元厚生大臣のアレシャンドレ・パディーリャ氏も「この悲劇を防ぐために法的措置を含めた全ての措置を求める」と明言し、ヘナン・カリェイロス上院議員も「46万2000人以上が死亡しながら、南米選手権を開催すれば死のトーナメントになる」と訴えている。

また、ブラジルでは南米選手権を開催予定の各都市からも猛反発の声が上がっている。同メディアは「Covid―19(新型コロナウイルス)の症例数が増加している中、ペルナンブコ州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州、ミナス・ジェライス州、リオ・グランデ・ド・スール州の政府は、この大会を拒否した」と報道。いずれの州もコロナ感染拡大が深刻な地域としている。

南米選手権のブラジル開催は発表されているが、各方面からの激しい反発を受ける中、本当に実施できるのだろうか。五輪開催を控える東京と同じような状況だけに、今後の動向が気になるところだ。

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