「一軍にしがみつきたい」ヤクルト2年目・大西広樹 “敗戦処理” 一転!幸運のプロ初勝利

主砲・村上(左)とともにヒーローとなったヤクルト・大西(中)

ヤクルトの2年目、大西広樹投手(23)が1日の楽天戦(神宮)で2―4の6回から3番手で登板し、2イニングを2安打無失点と好投。7回に味方打線が村上の2ランなどで一挙5点を奪って逆転し、プロ初勝利が転がり込んだ。

試合後、高津監督と並んでの記念撮影では、なかなか笑顔になれなかった。初めてのヒーローインタビューでも「緊張します」。いくつかの質問に答えてから、ようやく頬が緩んだ。

1年目の昨季は8月5日の広島戦でのプロ初先発を含む5試合に投げて0勝1敗、防御率5・00。今季初登板となった5月28日のオリックス戦でも救援で2回1/3を投げて3失点と結果を出せなかった。

「まずは自分の仕事、ゼロに抑えることだけを考えてマウンドに立った」というこの日は6回二死走者なしから代打の黒川に安打を許したものの、その黒川が二塁を狙って走塁死。7回も先頭・小深田のバント安打と自身の暴投で無死二塁のピンチを背負ったが、鈴木を遊ゴロ、浅村は三ゴロ、島内も右飛に仕留めた。「今日こそゼロでという気持ちで投げた」。その結果が直後の味方打線の反撃につながった。

記念のウイニングボールは両親に渡すという。「投げさせていただけたらゼロで抑えて、一軍にしがみつきたい」。ドラフト4位入団の2年目右腕の〝逆転人生〟は、ここから始まる。

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