サッカーの欧州選手権(11日開幕)を前に各国の選手たちはさまざまな野心を持って調整を進めているが、フランス代表のFWキリアン・エムバペ(22=パリ・サンジェルマン)は他とは違った目的を持って大会に挑もうとしている。
スペインメディア「デフェンサセントラル」によると、エムバペは今回の代表活動期間中、5年半ぶりに代表に復帰したFWカリム・ベンゼマ(33=レアル・マドリード)に対し、プライベートな会話はすべてスペイン語を使ってほしいと依頼しているという。
今夏の移籍市場で最大の目玉とされるエムバペだが、すでにRマドリード入りが決定的と言われている。それに向けてスペイン語の勉強を続けているが、自信満々なピッチでのプレーとは対照的に、まだ手応えをつかむまでには至っていない。
そこで目を付けたのがベンゼマ。Rマドリードで11シーズンもプレーしたベテランFWは最高の教材とあって〝生きた〟スペイン語を教えてもらうためにアプローチしている。他のチームメートやスタッフの目がないところではスペイン語を使用する約束を取り付けた。
もちろん、これには別の目的もある。くしくも1日にはカルロ・アンチェロッティ氏(61)の復帰が決まったばかり。ベンゼマはアンチェロッティ政権下の2014年に欧州チャンピオンズリーグ制覇も成し遂げており、指揮官の性格や戦術を理解している。エムバペにとってはスペイン語の習得だけでなく、Rマドリードの〝濃い話〟を聞けるチャンスでもある。
エムバペの心はすでにマドリードに飛んでいることをうかがわせるエピソード。欧州選手権で勝ち上がればベンゼマとの時間も長く作れるだけに、いろいろな意味でモチベーションは高そうだ。