【全米女子OP】シブコVへのポイントは“ここ一番の勝負強さ” 服部道子・五輪代表コーチが分析

再度のスイング改造が大舞台で実るのか

女子ゴルフの今年の海外メジャー第2戦「全米女子オープン」はカリフォルニア州サンフランシスコのオリンピックCレークCで3日に開幕。11人が出場する日本勢で、注目は12月開催だった昨年大会で4位に食い込んだ渋野日向子(22=サントリー)だ。東京五輪のゴルフ日本代表女子コーチでもある服部道子(52)が渋野の現状を分析する。

すんなりプレーできていれば…。そんな思いを抱いたファンも多かっただろう。昨年の「全米女子オープン」、渋野は3日目まで首位を快走した。ところが最終日は雷雨により、最終組のスタート前に中断となり、そのままサスペンデッド。1日の休養が影響したのか、月曜日には逆転を許した。

とはいえ、スイング改造に取り組み、なかなか結果が出なかった1年の最後に自らの正しさを証明するような戦いぶり。それでも渋野はそのスイングを捨て、再び大幅なスイング改造にトライしている。

服部は「『全米女子オープン』で結果を出していたので、その後のスイング改造には驚きました。今のスイングは左に行かせないという狙いがあると思います。昨年の最終日に何度か左に曲げていたので、それが影響しているのでしょう」。そのうえで、現在のスイングはまだ完成形ではないと見ている。

「スイングはいろんな芝やライでプレーしたり、試合の中でドローやフェード、高い球や低い球を打つ中で調整していくもの。まだうまくいったり、いかなかったり、ちぐはぐなところもあると思います」

2週前の「ピュアシルク選手権」では3日目に米ツアーでの自己ベストとなる7アンダーの「64」をマークしたが、前後の2日目、最終日はオーバーパー。前進はしていても、安定感という意味では物足りない印象だったが、メジャー2勝目を期待させるのは渋野が持つ勝負強さだ。

服部も「昨年の『全米女子』の結果は想像していなかったし、2年前の『全英女子』で優勝すると思った人はいなかったはずです。大きい舞台でポテンシャルが上がるというか、渋野さんには言葉では表せない何かがあると感じています」と話す。

東京五輪の代表争いも佳境を迎える。「今大会を含めてメジャーが2つあるので、まだ誰が代表になるかは分かりません。どの選手もあとは自分次第。やるべきことを一つひとつ、自分と向き合ってやっていくしかありません」

スイングの完成度や好不調の波では測れない渋野特有の“何か”が発揮されれば、2つ目のメジャータイトル、そして日本代表の座もグッと近づくはずだ。

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