帰国子女支えて30年 川崎の民間ボランティア団体、今春静かに終止符「やり切った」

30年の活動を振り返る小倉さん=川崎市高津区

 帰国子女の受け入れ支援などに取り組んできた川崎市の市民団体「LET'S国際ボランティア交流会」が、今春解散した。

 役員の高齢化や当初の目的が達成できたことが要因で、30年にわたる活動に静かに終止符を打った。

 代表の小倉敬子さん(74)=高津区=は「寂しい気持ちもあるが十分やり切った」と振り返っている。

 交流会は1990年8月、宮前平中学校(宮前区)に通う帰国子女の保護者が集まって設立した民間ボランティア団体。銀行員の夫に付き添い、イラクやカナダで過ごしながら子育てに励んできた小倉さんらが発足させた。

 当時は帰国子女の受け入れ環境が整っておらず、親子で日本の学校への対応に頭を悩ませる家庭が多かった。

 教諭も異文化で育った子どもたちにどう接したらよいか試行錯誤していたという。

 交流会の活動は帰国子女に日本の生活習慣を伝えるものから、事例集「にじ」などの発行、保護者に情報交換の場を提供するなど多岐にわたってきた。

 会員に海外駐在経験者が多いことを生かし、国内に住む外国人に言語をレクチャーする「日本語サロン」も実施してきた。

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