新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会がメンバー入れ替え後初の開催

令和3年度第1回目となる「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」の様子

新潟県は3日、令和3年度第1回目となる「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」を開催した。技術委員会では今年度、高齢などを理由に委員の約半数が交代となり、今回は交代後始めての開催となる。新任委員が東京電力ホールディングス株式会社へID不正使用問題に関する質問をする場面も見られた。

技術委員会では、これまでに実施した福島原発事故の検証や柏崎刈羽原発の安全対策概要の確認と視察などを通して、東京電力と国へ対する安全対策の確認事項、21項目を整理。国への確認を除いた19項目について、前年度より東京電力へ説明を求めている。

今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、全委員がweb会議での出席となった

今回の技術委員会でも「格納容器の破損防止対策」や「重大事故対処の手順と作業員への教育」などの項目の説明を東京電力へ求め、委員からは若手職員の確保や技術継承などに関する質問も上がった。今回で19項目の確認を終えたが、座長を務める京都大学複合原子力科学研究所の中島健副所長は「今後も新任の委員から質問が出てくると思うので、今後も東京電力から技術的な部分の疑問点の確認が続く」とし、報告書の提出などに関してはまだ先になる見通しを話した。

また、昨年度9月のID不正使用の事案を追求する質問が新任の岩井孝委員から上がった。東京電力では9月23日にID不正使用に関する報告書を提出する予定であるが、今回の委員会で、ある程度内容が固まった時点で根本原因などの議論を行うという方向となった。

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