立川男女殺傷事件 初対面の〝危ない〟人間はこう見分ける 専門家に聞く危機対処法

事件現場となった立川のホテル

東京都立川市のホテルで男女が刺されて死傷した事件で、男性への殺人未遂容疑で逮捕された少年(19)が身柄を確保された場所の近くで、木に掛けられたロープが見つかったことが3日、分かった。警視庁立川署捜査本部は少年が自殺を図ろうとした可能性もあるとみて調べている。

少年は「死ぬつもりだった。人を殺す動画を見て刺激を受け、無理心中を撮影しようと思ったが、女性に断られ、喧嘩になった」と供述。初対面の女性を刺殺するのは理解不能だ。しかし、過去にも怨恨なき殺人で「誰でもよかった」と供述した通り魔は数多くいた。防ぎようがない殺意から身を守るために、どう注意すればいいのだろう。

日米で連続殺人犯、大量殺人犯など数多くの凶悪犯と直接やりとりしてきた国際社会病理学者で、桐蔭横浜大学の阿部憲仁教授はこう語る。

「初対面の人間を見分ける際に言えることは、性的虐待(問題)のプロが子供たちに教える『自分の第六感を信ずる』というアドバイスであろう。我々には動物的感性がまだ確実に残っている。親と仲が良かろうが、先生であろうが、医者であろうが、そうした職業や関係性、地位とは一切関係なく、“この人、何となく変だな”と感じた場合には絶対に近づかない」

それでも、今回のように同室に閉じ込められてしまったような場合にはどうすればいいのか。

「ケータイが入ったようなふりをして『何か緊急の連絡みたいなので、ちょっとだけすみません』と言って相手に気付かれないようにケータイを耳に当てていったん部屋から出ることだ」(同)

また、“あおり運転”の加害者に見られるように、相手に危害を加えるタイプの人間は、こちらが気付いていないほんのちょっとしたことで、一方的に腹を立て攻撃する“粘着気質”である場合が多い。

阿部氏は「傷害事件を起こすタイプの人間は往々にして他者から見下されなめられやすいような小柄であったり、やせていたり、一見トロそうに見える、“いじけた”ような印象の人間が多い。だからこそ、怒りを内にため込み、それが一線を越えた瞬間、爆発する」と指摘している。

© 株式会社東京スポーツ新聞社