立川男女殺傷事件 逮捕された19歳少年「70か所メッタ刺し」の動機

事件が起きた立川のホテル

東京・立川市のホテルで女性(31)と店の男性従業員(25)が客の男に刺され、女性が死亡した事件で、逃走中だった男が、事件から一夜明けた2日、逮捕された。

逮捕されたのは、あきるの市の少年(19)で、2日午前、羽村市の路上で捜査員に身柄を確保された。この時に乗っていた原付バイクは、事件後、容疑者が逃走に使っていたとして、警視庁がこの日、防犯カメラ画像を公開したものだった。

事件は1日午後4時前に発生。ホテルの客室に派遣された女性から店に「盗撮です。早く来てください」と電話があり、男性従業員が駆け付けると、客室から出てきた男に刺され、119番。室内には女性が70か所を刺され倒れていた。

男性従業員が刺されたホテル5階の廊下の壁には、凶器とみられる刃渡り20センチの包丁が突き刺さっていたという。

逃走した上下黒の衣服に黒リュック、マスク姿の男は犯行後、JR立川駅から拝島駅まで電車で移動し、その後、原付バイクで走り去っていたことが判明。このバイクの捜査網が緊急配備された。

2日午前、バイク走行中に警察に呼び止められた少年は「ツーリングをしている」と平静を装ったというが、ハンドルを握る手には明らかな異常が見られた。

「犯行の際に凶器でケガしたとみられる手のひらの傷をトイレットペーパーやばんそうこうで応急処置していた」(警視庁関係者)

動機については今後の取り調べを待つほかないが、警視庁関係者はこうみている。

「少年はこの店の利用は初めてとみられ、被害者とは面識はないようだ。犯行は女性が入室して間もなく起き、金品目的でもない。70か所もめった刺しにしたのは店への特別な恨みでもあったのか。ホテルや街中に防犯カメラがこれだけあるのに自分の原付バイクでうろついているのをみると、自暴自棄になって、じっとしていられず、早く捕まえてほしかったのでは」

男性従業員への殺人未遂容疑で逮捕された少年は容疑について「間違いないです」と認め、女性についても関与をほのめかしているという。

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