心配は無用かもしれない。4日の巨人戦(東京ドーム)で一軍復帰した日本ハム・中田翔(32)が早くも復活の予感を漂わせている。
開幕直後から極度の打撃不振にあえいでいた生え抜き大砲は5月中旬、自ら二軍降格を直訴し、同15日に出場選手登録を抹消された。以後は二軍施設のある千葉・鎌ケ谷ではなく、札幌市内の一軍施設で調整。今月1日から二軍戦に出場し、計3試合で9打数3安打と状態を上げていた。
そんな中での復帰戦。中田は第3打席に中前打を放って3打数1安打だったが、安打以上にも収穫があった。右飛に終わった第1打席。空振りした初球に本人の代名詞とも言える「マン振り」が復活したからだ。
中田は不調に陥ると自然とボールを追いかける悪癖がある。その結果、持ち前の豪快なスイングが影を潜め、打撃が小さくなりボールに当てに行ってしまう。この消極的なスイングが不振を長期化させたと言われるが、この日はバットが空を切ったとはいえ第1打席の初球からフルスイング。第2打席の痛烈な投ゴロも渾身の一振りだった。これだけバットが振れれば問題ないだろう。
チーム関係者によれば、中田は札幌市内での調整期間中、黙々と汗を流し続けたという。一時、精神的に落ち込んだ時期もあったようだが「体を動かすことで弱ったメンタルを回復させたい意図があったのかもしれない。でも、二軍で試合に出るようになってからの顔つきは吹っ切れた感がありましたから。明らかに前より状態はいいと思います」(前出関係者)。
中田は試合後に「1打席目は(球が)すごく速く感じました。でも、2打席目からはしっかりと長くタイミングをとってボールも見えてました。結果にはつながらなかったけど、すごくいい見え方はしていた」と笑み。その上で今後の手応えに関しては「そればっかりは分からない。でも、ここまで来たからにはやるしかない。結果はもちろんそうだけど、結果どうこうではなく、しっかり最後まで戦い抜くというとこだと思うので。そこは最後までしっかりやりたい」と力強く誓った。
一時は肉体面、精神面を含め、どうなるかと心配されていたが…。巻き返しはこれからか。