「大市民流し」実施せず 糸魚川おまんた祭り 「未来に繋がる取り組み」展開

 糸魚川市の夏の風物詩「糸魚川おまんた祭り」は本年度、新型コロナウイルス感染拡大への懸念からメーンイベント「大市民流し」などの例年の催事を行わないと決定した。代替事業として、祭りを忘れないように「未来に繋(つな)がる取り組み」を実施する。同実行委員会(白沢賢二実行委員長)が4日に概要を発表した。

 昨年度のおまんた祭りは感染拡大の懸念から中止になった。7月31日に実施予定だった本年度は、「第45回糸魚川おまんた祭り」と位置付ける。「大市民流し」は2年連続で中止となるが、7月25~31日を「おまんた祭りWEEK」に定め、祭りの雰囲気、高揚感や一体感を演出する。

 同実行委によると、期間中は人が密集しないように最大限配慮し、ちょうちん、龍神丸の飾り付け、「おまんた囃子(ばやし)」のかけ流し、山車太鼓の巡回などを行う。

 併せて、祭りへの思いを集約し発信、寄せ書き横断幕の製作、動画の制作配信、SNSによる情報発信などを展開する。また本年度中は継続し、踊りや唄・演奏などを次世代に繫ぐため、保存・承継への支援を行う。

 白沢実行委員長は「未来に繋がる取り組み」の結論に至った検討経過を報告。「後々この年を振り返った時に良き記憶と記録となるよう、万全の準備と対策の上で精いっぱい取り組んでいきたい」とのコメントを発表し、理解と協力を求めた。

一昨年夏の「大市民流し」の様子。2年連続の中止となる。今年は「おまんた祭りWEEK」を設け、祭りを未来に繋げる取り組みが展開される

◇おうみ祭り・大花火大会中止

 同市青海地域で7月24、25日に実施予定だった「第52回おうみ祭り・糸魚川大花火大会」は、本年度の中止が決定した。同実行委員会(平野拓二実行委員長)が4日に発表。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、安心・安全な祭りを実施できないと判断した。2年連続の中止。

◇能生ふるさと海上花火も

 同市能生地域で8月7日に実施予定だった「第69回能生ふるさと海上花火大会」も、新型コロナウイルス感染拡大防止などの観点から、2年連続の中止が決定した。同実行委員会(大貫慶一実行委員長)が4日に発表。お盆の伝統行事に合わせた「サプライズ花火」打ち上げなどを検討している。

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