皆さん、「アルファ米」というものをご存知でしょうか。非常食として有名なアルファ米ですが、実は、自作もできるんです。アルファ米というと何かハイテクで難しそうな物に聞こえますが、すごく簡単に言うと、炊飯器の窯に取り残されてカチカチになったやつもアルファ米と言えます。今回は、キャンプ飯としても活躍するアルファ米を自作する方法を紹介します。
アルファ米ってなに? 実は中学校の教科書にも載っています!
アルファ米は中学校の古文の教科書にも登場しており、古くから慣れ親しまれている食べ物です。
具体的には、伊勢物語の東下り・三河で「乾飯(かれいひ)」という、今で言うアルファ米を食べるシーンがあるのです。
「かれいひ」はテストにも出やすい単語ですので、学生時代に「かれいひ」という言葉を覚えた思い出を持つ人は多くいるのではないでしょうか。
「かれいひ」を思い出した人は親近感が沸いたと思いますが、現代の「かれいひ」であるアルファ米は、乾燥した状態でカリカリと食べるのではなく、お湯や水で戻して食べます。
一般的に、お湯で15分程、水で60分程の時間をかけて戻したアルファ米は、炊いたばかりのお米のような状態になります。
アルファ米は、登山などで標高が高く、上手にお米が炊けない時に主に使用されています。最近では防災グッズとしても注目を集めていますね。
実際に災害用の防災セットを購入すると、「水を入れるだけでご飯が食べられる!」というアルファ米商品が高確率で入っているかと思います。
白米だけでなく、炊き込みご飯などのアレンジ品もあるので、好みの品を購入して備蓄しておくといざという時に安心です。
アルファ米の歴史を知れば「究極のキャンプ飯」の意味が分かる! 美味しいアルファ米を自作してみよう
アルファ米の歴史を遡ると、平安時代、またはそれ以上になりますが、近代で再注目された時は戦時中です。
敵地での作戦時に火を起こしていると、居場所がばれてしまうので、気軽に火を起こすことができません。そこで、火なしで白米が食べられるアルファ米が注目されました。
このように戦地での食事として注目されるほど、どんな状況でも簡単に調理でき、栄養補給ができる食品であるアルファ米。
最近では、災害時はもちろん、登山やキャンプなどといったアウトドアシーンで活躍しています。
水さえあれば、環境に左右されずに食事ができるなんて、まさに「究極のキャンプ飯」といっても過言ではないでしょう。
アルファ米は市販でも売っていますが、自作もできます。
アルファ米は少し独特な食感や味のため、苦手という人も多いです。しかし、こだわってアルファ米を作ってみれば、アルファ米が苦手な人でも食べられるのではないかと思い、自作してみることにしました。
こだわりの自作アルファ米は美味しいのか、作り方も含めて、次項から検証していきたいと思います。
自作アルファ米の作り方 こだわりのお米を土鍋で炊き上げて作ってみた!
アルファ米は自宅でも簡単に作ることができます。ここからは、アルファ米の作り方を解説します。
自作アルファ米の作り方【1】お米を用意する
今回はこだわって高級ブランド米を用意しました。もちろん、スーパーに売っている普通のお米でも問題ありません。
自作アルファ米の作り方【2】お米を炊き上げる
これもまたこだわって土鍋で炊き上げました。しかし、炊飯器で炊いても問題ありません。
なお、土鍋で炊く時は炊飯器とは水の量が違うので注意が必要です。
自作アルファ米の作り方【3】炊き上げたお米を水で洗う
せっかく土鍋で炊き上げた美味しいお米を水で洗う罪悪感は大きいですが、ビビらずに洗っていきます。お米一粒一粒がばらばらになるように、洗っていきます。
自作アルファ米の作り方【4】洗ったお米を乾燥させる
洗ったお米の水気を切り、干物ネットに入れて乾燥させていきます。しっかりと水分を飛ばすことが大切で、乾燥に失敗すると腐ってしまうので注意が必要です。
オーブンを使って水気を飛ばす方法もありますが、今回は浴室乾燥器を使用して乾燥させました。
季節によって乾燥時間は異なるので、こまめに確認を行って乾燥させましょう。完全に水気が飛び、カリカリになれば完成です。
こだわって作った自作アルファ米を実食! 市販品と食べ比べてみた
実際にアルファ米を自作してみた訳ですが、普通に食べるだけでは味気ないので、市販品と食べ比べてみました。
今回、食べ比べを行った市販品はアルファ米の元祖、尾西の白飯。
300円以下で美味しいアルファ米が食べられる優れ物です。
自作アルファ米と尾西の白飯の両方をお湯で15分、水で60分を目安に戻して、食べ比べてみます。ちなみに、今回はお湯を使用しました。
結果的には、見た目は尾西の白飯より、自作アルファ米のほうが粒が大きいです。当たり前ですが、やはり使う米によって差がでる様子。
次に問題の味ですが、味はどちらも変わらず美味しかったです。
炊いたご飯を少し置いて冷ましたような感じで、一度カリカリの状態になっていたとは思えない味わいでした。アルファ米と言われずに食べたら、アルファ米であることに気づかないと思います。
自作アルファ米も市販アルファ米も美味しかったため、自作と市販、どちらのほうがいいとは一概に言えません。
しかし、正直、自作アルファ米は費用が300円以上かかっています。労務費を含めるとそれ以上です。美味しいアルファ米を低価格で販売している尾西様の凄さを実感しました。
いざという時に役に立つ! 自作アルファ米を備蓄してみては?
今回、実際にアルファ米を自作し、市販のものと食べ比べもしてみて、アルファ米の想像以上のポテンシャルに驚きました。
アルファ米をキャンプのお供にすれば、水さえあればいつでも美味しいご飯を楽しめて、まさに「究極のキャンプ飯」だとしみじみ感じました。
賞味期限も長いので、アルファ米をひとつでも家に備蓄しておくと、災害時やキャンプの時など、必ず役に立つ時が来ると思います。
「アルファ米は美味しくない」といったイメージを持っている方は多いと思います。しかし、それは食べなれていないから違和感があるだけだと思います。
キャンプや登山の時に食べてみればアルファ米の良さに気がつくと思います。そして、自分でも簡単に作ることができるので、自分だけのオリジナルアルファ米を作って食べてみると、とても楽しいです。
市販品でも、探せばあるかもしれませんが、ご当地の高級米を使ったプレミアムアルファ米を作ってみるのも楽しいかもしれません。アレンジして、炊き込みご飯などをアルファ米にしてもいいですね。
是非、アルファ米で「究極のキャンプ飯」を堪能してみてはいかがでしょうか。