交流の場願い韓国語教室 佐世保商講師が開業 「生徒の熱意」後押し

今春開業したRAONで中高生に韓国語を教えるユさん(奥)=佐世保市折橋町

 長崎県佐世保市の県立佐世保商業高で韓国語講師を務めるユ・ミンジョンさん(42)が、同市折橋町にカフェを兼ねた韓国語教室「RAON(ラオン)」をオープンした。開業を後押ししたのは、同校生徒たちの「もっと学びたい」という熱意。新型コロナウイルスの収束後を見据え、日韓交流の場をつくりたいという願いも込めている。
 ユさんは韓国・大邱市出身。2010年に来日し、佐世保市の自宅で翻訳業などをしている。19年からは同校国際コミュニケーション科の講師となり、2、3年生の計20人に教えている。
 教科書だけに頼らず、会話を交えての授業は「面白い」と好評。韓国の文化に親しみを感じ、留学や語学を生かした就職を目指す生徒も増えているという。
 ただ、同校のカリキュラムは中級程度まで。留学資格試験の対策など上級の課程は含まれない。生徒の夢を応援するため、ユさんは公民館を借りて“課外授業”を開いてきたが、より充実した学習環境を確保するため、4月に自費で空き店舗を借りて教室を始めた。
 教室のレッスンには中高生約10人が参加。韓国の大学進学を目指す同校3年の岩永明莉さん(18)は「目標に向かって勉強できる」と笑顔。ほかの生徒も「先生はお母さんのような存在。気軽に相談できる場所ができた」と喜ぶ。
 レッスンがない時間帯はカフェとして営業。韓国の音楽や雑貨などを紹介するコーナーもある。
 6月以降には社会人向けのレッスンやオンライン授業を開始予定。新型コロナによる渡航規制の解除後は、韓国人向けの日本語教室を開き、日韓の交流会も企画したいと考えている。
 教室名のラオンは韓国語で「楽しい」を意味する。ユさんは「コロナ禍でやっていけるか不安はあるけれど、生徒の意欲や成長に私自身もエネルギーをもらっている。明るく、楽しく続けたい」と話している。問い合わせはラオン(電0956.37.9887)。

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