「ロドリゲス失踪」被害のソフトバンク 主砲・デスパイネ去就報道には “至って冷静” なワケ

母国キューバでは「英雄」のソフトバンク・デスパイネ

アンディ・ロドリゲス投手(22)の〝失踪〟が発覚したソフトバンクだが、加えてファンの気を揉ませているのが、アルフレド・デスパイネ外野手(34)の去就に関する海外メディアの報道だ。

本人が来季以降について「日本に再び戻ってプレーするかは分からない」などと母国メディアに語ったとされ、家族と過ごす時間を優先する考えや中南米のリーグでプレーする可能性に言及したと報じられている。

日本で成功を収めたキューバの絶対的主砲だけに、母国を中心にセンセーショナルに受け止められているが、所属するソフトバンクは意外にも冷静だ。球団内からは「それほど重く受け止めていないというのが正直なところ。五輪予選で敗退した直後のタイミングを考えれば、本人もメディアもセンチメンタルな中でのやり取りだったと推測する。ましてや本人はケガ(球団詳細未発表=6日時点)を負って試合に出られなかった。球団として来季のチーム全体の戦力構想について議論が進んでいない状況で、今後すぐに意思を確認することでもないと考えている」と、至って冷静な声が聞かれた。

かねてキューバでは「国技」である注目度の高い野球関連ニュースでは〝話が盛られる〟兆候や、本人の意図とは乖離する形で報道される傾向があるという。特に今回のような屈辱的事態には、名前のある選手や〝戦犯〟となった選手にいち早くマイクが向けられた可能性がある。責任感の強いキューバの絶対的4番であるデスパイネが、感傷的になる中で発した言葉を「本心」と受け止めるのは〝時期尚早〟との見方が球団内にはあるようだ。

日本ではグラシアル、モイネロの存在感が高まっているが、母国ではメディア露出度、人気で群を抜いているデスパイネ。球団の発表では8日に再来日する予定だ。まずはケガを癒してチームに合流し、自信満々の姿を取り戻すことを球団も鷹党も願っているはずだ。

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